一生ものはしまっておかずとことん使い倒す

一生ものは、言ってしまえば高級品です。使いはじめは、傷がつかないようにドキドキしながら宝物のように扱ったり、汚れがつかないようにと大事にしまっている人も多いのではないでしょうか。

しかし、本来、ものは使ってこそ使命が果たされるので、とことん使い倒すのが正しい向き合い方です。

大事にしすぎて使い勝手が悪くなってしまったり、しまい込んで出番がなければ、その価値を発揮できなくなってしまいます。

人が誰も住んでいない家や廃墟になった建物は、劣化が早いと感じませんか。

もちろん、空気の流れが悪く、湿気が溜まるなどの物理的な原因もあるでしょうが、1番大きな理由は人の「気」にあると思っています。

それは日常、お花や観葉植物などに愛情を注いだり、ものをお手入れしたりすると、そのもの自体が喜んでいることを感じるのと、何より長持ちすることを実感しているからです。

そう考えると、家も「掃除しなくちゃ」と義務的にするよりは、自分が心地良くいられる場所として愛情を持って接していれば、いつもきれいで長持ちするのではないかと感じています。

一生ものもこれとよく似ています。使えば使うほど持ち主との関係に馴染んで、経年変化でどんどん魅力を増していきます。

ただし、それはいつも傍にいて苦楽を共にしながら、愛情を持ってたくさん使い込んでこそ。使い込まれてついた傷は、ものにとってはむしろ勲章。押し入れやクローゼットにしまい込んで、カビや虫喰いで劣化していくこととはまったく違います。

何十年も世代を超えて愛されてきたものは、そもそも丈夫に作られているので、あまり気を遣うこともありません。

ジェーン・バーキンが愛用していたバーキンは、どれくらい使い込めば、あれほどまでクタクタになるのだろうと思うほど。

私ももっとたくさん活用しようという気持ちになります。

Katie