車と住宅を中心に、便利で無駄のないトータルリペアをFC展開
1981年に店舗の大掃除代行業者として創業し、5年後の1986年にハウスクリーニングのフランチャイズ事業をスタートさせた株式会社アミークス。さらにその10年後には自動車内外装の総合リペア事業『トータルリペア』をフランチャイズ展開させている。
「弊社はハウスクリーニング事業からスタートした企業ですが、創業者の山口恭一は、アメリカでの視察を重ねるなかで、現地で当たり前となっていた事業形態を積極的に導入してきました。出張リペアサービスのフランチャイズ展開はその最たる例ですが、成長過程で当時はまだ珍しかったビルの外壁洗浄などにも着手しました。東京ドームの内側を清掃する事業を手掛けた際には、多くのマスメディアに取り上げられています。また環境問題へ世界中の関心が集まる以前からエコビジネスに着目し、実践してきた実績もあります。その精神は『トータルリペア』の“捨てない・壊さない・取り替えない”というテーマに受け継がれているのです」
時代の移り変わりにいち早く反応しながら、成長を続けてきた株式会社アミークス。事業内容の一部を子会社化させるかたちで整備し、現在は『トータルリペア』を主軸に事業展開している。『トータルリペア』が提供するサービス内容は、車両の内外装のリペアと、住宅の木材・サッシリペアに大別される。
「『トータルリペア』は主にB to Bの事業展開を行ってきました。車の場合は中古車販売店やレンタカー、タクシー会社などが主なお客様となります。近年の車は丈夫に作られており、走行距離が数万キロに及んでも性能や一見した見栄えには劣化は見られないものの、ハンドルやダッシュボード、外装表面の軽板金、そしてタイヤのホイール部分に付いた傷みは購入希望者や利用者の目に付き、第一印象を著しく引き下げます。『目につきやすく車の価値を左右しやすい部分』を、トータルリペアであれば一日の出張作業でキレイに修復することができます。
家屋の場合も同様で、最も多いのは新築物件のリペアです。住宅の施工現場には複数の業者が出入りするため、物件には施主への引き渡し前から大小さまざまな傷が付いています。そうした問題を床や窓のサッシを中心にスピーディに解決しています。新築物件での実績が、賃貸物件のクイックリペアへつながるケースも多くあります」
「複数事業展開で相乗効果」…自由なスタンスが加盟者から支持
『トータルリペア』はB to Bを主戦場としているため、一般消費者の認知度は低いが、2022年10月現在、北海道から沖縄まで、全国1,057の加盟業者を有する。その成功の秘訣はどこにあるのだろうか。
「フランチャイズと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、コンビニエンスストアではないでしょうか。FC本部主導型で、価格から売り方まですべて決められています。弊社はそのような形式でなく自由裁量型を採用しているからこそ、技術を持つ優秀な加盟者が集まると自負しております。先述の通り、中古車展示場や新築物件などへの出張サービスなので店舗は不要です。また経営が順調であれば、一日に複数件を回り効率よく売上を伸ばすことも可能です(※契約プランによっては作業場所が必要です)」
『トータルリペア』には元々営んでいる事業との相乗効果を狙って加盟する個人事業主・企業も数多い。
「弊社のフランチャイズビジネスは、よほど辺鄙なエリアでない限り需要は必ずあるものであり、『ビジネスとして成立するかたち』を念頭に整備しています。営業サポートも提供しますし加盟金もリーズナブルです。『長いお付き合いのなかでお互いにメリットを享受する』という考え方で加盟社を増やしてきました」
新事業で利用者拡大を模索…さらなる可能性が広がる
車と住宅のリペアを専門的に展開し、ニッチな市場で着実な実績を上げている株式会社アミークス。今後、どのような展望を掲げているのだろうか。
「『トータルリペア』は25年以上の歴史のなかで、数多くの独立事業者様にご活躍いただいてきました。第一世代の方々はそろそろリタイアを検討し始める時期ではありますが、規模拡大のために新しいビジネスプランの必要を意識し、動き始めているところです。それがスマートフォンやインターネットを通じて利用可能なプラットフォームの創出です」
株式会社アミークスが思い描いているのは“リペア事業のウーバー化”。これまでB to B向けのサービスとして展開してきたリペア事業を、より手軽な「マッチングサービス」へと拡充し、利用者の裾野を大きく広げようとしている。
「“人をつなぐ、社会をつなぐ、豊かさをつなぐ”。これが弊社の経営理念です。今後は『トータルリペア』で提供してきた便利な修復サービスを、一般消費者にも『直接発注』というかたちでご享受いただきたいと考えています。そのために現在、1からシステム構築し、サービス開始に備えているところです。新事業は数年後に安定期を迎え、『トータルリペア』の知名度も全国的に高まっているであろう、という青写真を描いています」
新事業が軌道に乗れば、需要に対応する新規加盟の増加も必至。「ホップ・ステップ・ジャンプに例えるなら、いまステップの段階」と語る川合代表は語る。
「将来的には、リペアだけにこだわらない展開も視野に入れています。弊社が戦力になれそうな需要が世の中にあるなら、蓄積されたノウハウを活かしつつ、可能性を広げていきたいと考えています」