子ども9人に1人が貧困、不登校は24万人以上、日本の教育課題をNPOというアプローチで解決する【認定NPO法人カタリバ】

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認定NPO法人カタリバ
子ども9人に1人が貧困、不登校は24万人以上、日本の教育課題をNPOというアプローチで解決する【認定NPO法人カタリバ】

近年、ニュースなどのメディアで耳にする機会が多くなった「子どもの貧困」。先進国に生まれ、バブル経済を経験した世代には耳を疑うような現象だ。また子どもたちを取り巻く問題は貧困にとどまらず、不登校や虐待など、多岐に渡っている。それらの解決をすべて国に委ねていては取り残されてしまう子どもたちが増えていくだけ……そこで期待されているのが民間によるサポートだ。今回、話を伺ったのは、行政にないフットワークの軽さで的確に事業を展開する、認定NPO法人カタリバの創設者、今村久美代表理事。当団体の活動とそこに込められた想いについてみていこう。

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「この夕食が今日の1食目…」子ども9人に1人が貧困という日本の現状

厚生労働省が2023年7月に公表した国民生活基礎調査によると、「18歳未満の相対的貧困率」は、2021年に11.5%となった。3年前の調査結果である14%に比べ改善を見せているものの、未だに9人に1人の子どもが貧困状態にある。またひとり親世帯に目を向けると、半数近い44.5%の子どもが貧困状態という。

 

「『この夕食が今日の1食目……』と話す子どもたちがいました」

 

そう話すのは、認定NPO法人カタリバ(以下、カタリバ)代表理事今村久美。カタリバは、2001年から国内の子ども支援をしている教育NPOだ。

 

新型コロナウイルス感染症の国内感染者数が増え、前代未聞の一斉休校が検討されているというニュースが出た20年2月、すぐに「困窮する子どもたちが急増する」と考え支援活動を始めた。

 

「予測通り、コロナ禍で困窮する子どもたちが急増しました。たとえば、元々経済状況が厳しい家庭の子は、学校給食に頼っています。それが一斉休校によって断たれました。また、困窮世帯の多くがひとり親で、仕事は飲食業などの昼夜かけもちというスタイルが多い。しかし飲食店は休業。解雇や収入減となり、保護者も大きな不安を抱えていました。『インターネットで授業をする』と学校から通知が来たとしても、パソコンが家になく、仕事でパソコンを触ったことがない人がほとんど。コロナで子どもたちの学びを止めてはいけないと思いました」

 

カタリバは、パソコンと通信機器の無償貸与を行い、オンライン上で子どもたちが集まれる場所を開設。子どもと保護者には、それぞれ「メンター」と呼ぶ担当スタッフを置き、いつでも何でも相談できる環境を整えた。

 

またお米や弁当の配布も行った。

 

コロナが流行し緊急支援として今村氏自らお弁当を配布した
コロナが流行し緊急支援として今村氏自らお弁当を配布した

 

コロナ禍で始まったオンラインでの支援事業を受けた家庭は、1,500世帯以上。北海道から沖縄まで各地で支援を求める声が上がった。

 

「一斉休校が終わった後も、家族に持病を持っている人がいて、引き続き学校を休まざるを得ないという声や、『塾に通うお金がないから、学習プログラムを継続して受けたい』という声などがありました。ヤングケアラーのような状況にある家庭も見受けられ、過疎地や離島に住んでいることで、支援が行き届かず、孤立している状況もありました」

 

23年5月でコロナ5類に移行しても、オンライン支援のニーズは高く、急ピッチで拡げているが、すべての求めにこたえることができていないという。

 

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設立から22年…子どもたちに伴走することで、見えてくるもの

コロナによる一斉休校のニュースが出たその時から動き始めたという、カタリバ。NPOならではの機動力を生かし、これまでも様々な支援活動を展開してきた。

 

「契機になったのは、東日本大震災です。東北の被災沿岸部へ行き、何が必要とされているかを聞いて回りました。日常が失われた東北沿岸部で求められていたのは安心できる日常でした。そこで、常設の放課後施設を開設しました」

 

被災地の放課後施設は東北3県で運営。震災から10年以上経つが、これまで5,000人以上が通った。運営は学校・教育委員会・自治体と連携したが、資金のほとんどは全国から集まった寄付でまかなった。様々な立場の人間が協働して、子どもたちに安全安心な居場所を届け、学習支援を行う、collaborative(コラボレイティブ=協働)な仕組みは、全国からの視察が相次いだ。

 

「被災地支援で感じた壁は、家庭の経済状況の格差でした。私たちの支援もあって、大学進学者が増えたという実績もあります。とはいえ、家庭の経済事情からくる格差は、一朝一夕で解決できるものではありませんでした。この問題を家庭の責任として放置していては、人口減少のなかで、やがて行き詰まってしまう。その子本人の人生のためでもあり、社会全体の課題だと強く認識しました」

 

日本財団による推計の結果では、「子どもの貧困」をこのまま放置すると、2018年現在15歳の子ども1学年だけでも、社会が被る経済的損失は約2.9兆円に達し、政府の財政負担は1.1兆円増加することが明らかになったという。

 

「私たちのような子どもの教育支援活動は、結果が出るまでにとても長い時間がかかります。前向きに頑張れるときもあれば、うまくいかずに落ち込むこともある。そんな子どもたちを、温かいまなざしで常に傍にいて、はげましたり、時には厳しいことを言ってくれる大人の関わりが必要です」

 

カタリバは、被災地で始めた常設の放課後施設を、現在は全国6ヵ所で運営している。施設では学習支援のほか、毎日の食事の提供や将来につながる様々な体験プログラムを実施。常駐するスタッフが、子どもたちの相談に耳を傾け、物質的な支援だけではない「安心安全な場」をつくり、挑戦への意欲を育んでいる。

 

カタリバの支援を経て、社会人になった子どもたちは、22年の活動で1万人以上。困難な状況にあっても、社会への信頼を取り戻し、「今度は自分が誰かを応援する側になりたい」という希望をもって旅立つ卒業生も出てきたという。

 

生徒が卒業するときに書いた手紙
生徒が卒業するときに書いた手紙

一人でも多くの子どもたちのために…国や自治体と連携して取り組む

地道に活動を拡げてきた、カタリバ。

 

2013年にはいち早く「NPO法人」よりさらに信頼の高い「認定NPO法人」に法人格が変わった。ガバナンスやコンプライアンスの面にも力をいれ、安定的な団体経営にも取り組んでいる。

 

「私たちの活動は、子どもたちの生活に責任があります。突然『明日から支援できません』というわけにはいきません。130人のスタッフが継続的に子どもたちに安心できる居場所を届けられるよう、災害やコロナのような突発的な対応も織り込んだ形での、事業計画・進捗管理もしています」

 

認定NPO法人カタリバ 代表理事の今村久美氏
認定NPO法人カタリバ 代表理事の今村久美氏

 

今村は、文科省や経産省、「子ども家庭庁」といった国の審議会での提言にも力を入れている。

 

「カタリバは、のべ5万人以上の寄付者のご支援のおかげで、年間10万人ほどの子どもたちへ支援を届けることができるまでになりました。しかし社会の変化は激しい。小中学生の不登校は過去最高値の24万人、ヤングケアラーは中学2年生の17人に1人という調査結果もあります。一方で、教員不足や心の病からくる休職者も増えています。子どもたちの成長を『学校の責任』『家庭の責任』と押し付け合っても、先に光は見えません。政策面からの働きかけ、自治体や教育行政・学校との連携、全国にあるNPOとの協働など、みんなで本気で取り組んでいかなければと思います」

 

※認定NPO法人:認定NPO法人への寄付は、NPO法人への寄付とは異なり、所得税や相続税などの税制優遇が受けられる。国から認定を受けるためには、情報公開や運営・経理処理が適切であるかなど、客観的な基準に達していることが求められる。「広く市民から支援を受けていること」も要件。国内のNPO法人が約5万団体あるうち、認定NPO法人として認められているのは現在約1,200団体にとどまっている。

 

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