不動産投資はうまい話、儲かる話だけではない
不動産投資はメリットばかりではありません。「投資」である以上、必ずリスクが存在します。「利回りが10%もあります」「新築を買えば長期にわたって資産運用ができますよ」こういった、魅力的な謳い文句だけに目を向けるのではなく、リスクも含めて投資をすべきか判断することが必要です。ただ、リスクを避ける手段もきちんと確立されています。
今回は、不動産投資のリスクにも対応できる物件選びや所有後の管理のポイントについて、ご紹介します。
●空室リスクに対応する物件選びのポイント
たとえ高い利回りの投資物件を購入しても、借り手がいない、となれば、その利回りは机上の空論です。また、借り手がついたとしても、長期にわたり物件を所有する中では、必ず入居者の入れ替わりが発生します。ワンルームの場合、入居者はおおむね3年で入れ替わります。次の入居者がすぐに見つからず、数ヵ月も空室期間が続けば、その間、家賃は一切入ってきません。
●東京の賃貸需要は将来にわたって安定
賃貸需要は言うまでもなく、人口に比例します。日本で一番人口が集まっているのは、東京です。23区だけでも約950万人が暮らしています。
10代後半から20代を中心としたワンルームのターゲット層を中心に、人口流入が続いています。また、大学の都心回帰も進んでいます。上場企業約3,600社のうち半数にあたる約1,800社の本社は東京に集中しています。人そしてお金が集まり、経済が活性化して企業が新たな雇用を生み、また人が増えるという好循環が回っているのです。
東京23区に立地し、さらに賃貸需要の高い駅徒歩10分圏内の物件を選びましょう。加えて、ワンルームの物件であれば、空室になっても内装工事期間を最短にできますから、家賃が発生しない期間をさらに短くすることができます。
家賃も物件価格も、賃貸需要が高ければ下がりにくい
●家賃下落リスクに対応する物件選びのポイント
次の借り手がなかなかつかないのであれば、家賃を下げて募集をかけざるを得なくなります。また不動産の家賃は、年月が経つにつれて下がっていくのが一般的です。特に新築から築10年くらいまでは、家賃の下落幅は大きくなります。年々家賃が下がり続ければ、それだけ収支を圧迫してしまいます。
●賃貸需要が高ければ家賃は下がりにくい
賃貸需要が安定していれば家賃は下がりづらくなります。当社では四半期に一度、成約家賃や家賃発生までの期間など、賃貸実績をまとめたレポートを発行しています。たしかに築年に応じて平均家賃額は下がっていきます。とはいえ、賃貸需要が安定した東京23区の駅徒歩10分圏内の物件であれば、およそ築20年を超えたあたりで、家賃が下げ止まる傾向にあります。一方、賃貸需要の乏しい地方ほど、家賃下落の幅も大きくなります。家賃下落リスクの面からも、東京の物件を選ぶことをお勧めします。
●物件価格下落リスクに対応する物件選びのポイント
不動産投資の目的は、長期にわたり安定した家賃収入を得続けることにあります。ただ、買ったときから資産価値が著しく落ちてしまうような物件では、いざという時に売るに売れなくなってしまいます。資産価値が落ちにくい物件選びが重要となります。
●東京のワンルームなら価値も下落しにくい
物件の価格を決める大きな要素の一つは、その物件から得られる家賃収入額です。収益還元法とよばれる対象不動産が将来生み出すであろうと予測される収益から、価格を推定する方法があります。家賃が大きく下落しなければ、物件価格が大きく下落することは考えにくくなります。将来にわたって安定した賃貸需要がある立地選びが重要なポイントです。
また、東京23区ではすべての区に、ワンルームマンションの新築を規制する条例や建築指導要綱があります。新築物件の供給が絞られているため、中古物件の価格は維持されやすくなっているのです。
日本財託は賃貸管理会社として28年にわたり、物件の管理をお預かりする中で、これらのリスクと向き合ってきました。だからこそ、いざ運用を開始してから「こんなはずではなかった」という後悔しないよう、失敗しない物件の選び方を知っています。そして、これらのリスクを考慮しても、不動産投資は豊かな老後を過ごすための資産運用として、最適な手段だと考えています。
リスクを全て避けることはできませんが、最小化するノウハウはあります。次回は、長期にわたる不動産投資に特有のリスクについて、それに対応しながら不動産投資を行うポイントを解説していきます。