特集 「会社を売る」という選択肢

「会社を売る」という選択肢

親族内に適切な後継者がいない、赤字が続いてこのままでは廃業&破産を待つのみ・・・・・・様々な理由から「会社を売る」という選択肢を取るオーナー社長が増えている。多くのオーナー社長にとって「会社を売る」というのは初めての経験だが、社長の「最後の仕事」として失敗は絶対に許されない。本特集では、上手に「会社を売る」ためのポイントや具体的な進め方を徹底的に紹介する。

「経営者以外の人生をもう一度生きる」と、引退を決断
直近の決算期では過去最高益を達成――小山田様の経営されていた株式会社鷗文社、株式会社ビブリについてご紹介ください。小山田 鷗文社は大正3年に創業した書店がルーツの会社で、私は3代目の経営者になります。事業の柱は、新刊書店のハートブックスのほか、TSUTAYAのフランチャイジー、そしてブックス&カフェとして展開しているドトールコーヒーショップ・エクセルシオールカフェのフランチャイジーです。 創業の地である栃木県の那須を中心に営業基盤を築いています…
会社を継続しながら再起する「民事再生」活用時の留意点とは?
山田 尚武
債権の減免依頼等より取引関係を失う場合も民事再生にあたっては、債権者に大幅な債務カットをお願いする以上、いくつかの留意点があります。最大の問題は、再生手続開始の申立てをすると事業価値が毀損されてしまうことです。民事再生の場合、取引先について、商取引債権であるからといって特別の優遇はありませんので、金融機関の債権と同様に、再生計画によって大きな債権の減免や支払期限の猶予があります。場合によっては、連鎖倒産という深刻な影響をおよぼしかねませ…
赤字会社を早期に再建させる「民事再生」の道筋とは?
山田 尚武
再生計画案は「清算価値保障」に則って作成前回は、中小企業の再生にもっとも利用される民事再生について解説しました。今回は、具体的に、どのように再生させていくのか説明します。 まず、会社が再生手続開始の申立てを行うと、裁判所は、手続を監督するための監督委員を選任するとともに、再生手続開始の申立ての前日までの原因に基づく債務(便宜上「旧債」といいます)について弁済禁止の保全処分を発令します。これを受け、再生手続開始の決定までは旧債の支払が止ま…
赤字会社の再起を図る「再建型」の会社整理方法とは?
山田 尚武
全ての金融機関からの同意が必要な「私的整理」赤字会社を整理する方法には、清算してそのまま事業を終わらせてしまう清算型と、その後再起を図ろうとする再建型のふたつがあります。経営者が高齢で、親族や従業員に承継者もいない場合には、特別清算と経営者保証ガイドラインのセットできれいに廃業することが、最良の選択と考えられます。少し話がそれますが、経営者がまだ若く、いったん廃業しても事業に再チャレンジしていきたいという意欲があり、今後黒字転換を見込め…
特別清算選択の条件と「経営者保証ガイドライン」の概要
山田 尚武
債権者の同意が得られないと破産に進むことに・・・前回は特別清算という方法の利点について解説しました。では、誰でも特別清算を選べばいいのかといえば、そういうわけにはいきません。というのは、特別清算を選択するには、ある条件を満たす必要があるからです。 それは、債権の権利変更などの処理方法についてまとめた協定案について、「債権者集会に出席した議決権者の過半数の同意および議決権者の議決権の総額の3分の2以上の議決権を有する者の同意が得られること…
債務超過会社の清算方法——特別清算と破産の違いとは?
山田 尚武
経営者が主体性を持って進められる「特別清算」特別清算と破産は、ともに債務超過会社の清算ですが、特別清算は会社法上の手続きであり、特に債務超過の株式会社の清算に限って適用されます。それでは両者の違いを比較してみましょう。もっとも大きな違いは、破産と清算という言葉からくるイメージです。どちらも債務超過会社を終わらせて清算する手段には違いないのですが、破産=倒産のイメージが強いのに対して、特別清算という言葉には、それほど倒産のイメージはついて…
中小企業のM&Aで最も選ばれるスキーム「株式譲渡」とは?
岡本 雄三
「株式譲渡」では企業価値が毀損されにくい!?前回でも触れたとおり、中小企業のM&Aで売り手が選択するのは、9割以上が「株式譲渡」か「事業譲渡」のいずれかになるでしょう。本連載では、「株式譲渡」「事業譲渡」に焦点を絞り、具体的なやり方や実行する目的、それぞれのメリット・デメリットなどを見ていくことにします。まずは「株式譲渡」です。 スキーム① ・・・会社を丸ごと売る「株式譲渡」株式譲渡は「承継する会社の株式を売買するだけ」というシンプルさか…
赤字会社の経営者がきれいさっぱりに廃業する方法とは?
山田 尚武
廃業後に経営者が負債を抱え込む「悲惨」を回避する赤字会社の廃業を考えている経営者の中には、赤字会社の中身のGOOD部門を見つけ、よい事業だけを第三者に譲渡するという方法に興味を持たれている方も多いと思います。しかし、それでは、GOOD部門を売却した後、BAD部門とともに残された「箱=会社」はどうすればよいのでしょう。 結論からいうと、こちらは特別清算という方法で廃業します。また、その際、会社の負債を連帯保証していることの多い経営者については経営者…
株式譲渡、事業譲渡・・・M&Aの6つのパターンとは?
岡本 雄三
会社の売り方によって異なるM&Aのスキームひと口にM&Aといっても、いくつかの種類があります。まず、大きく「会社の全部を譲渡する方法」と「会社の一部だけを譲渡する方法」のふたつに分かれます。さらに、譲渡の仕方によって分かれます。 会社の全部を譲渡するスキームには「株式譲渡」「株式引渡」「合併」「株式交換・株式移転」があり、会社の一部を譲渡するスキームには「事業譲渡」「会社分割」があります。 それぞれの違いを概要で説明すると、以下のように…

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