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連載空室を埋める「リーシングマネジメント」の進め方【第9回】

店舗や事務所のリーシングで成果を上げる方法

生活保護受給者リーシングテナント

店舗や事務所のリーシングで成果を上げる方法

近年のアパート経営では、これまでは視野に入れなかった層への働きかけも必要になりつつあります。今回は、生活保護受給者への対応法、そして店舗や事務所のリーシングで成果を上げる方法について見ていきます。

生活保護受給者への対応も求められる次代に

昨今の不景気などによって、生活保護受給者の数が過去最高を更新し続けています。現在ではその数は200万人を大きく超えています。受給者の家族まで含めればその3~4倍と膨大な数になります。

 

アパート経営においても、以前は例外的な存在であった生活保護受給者が一定の規模を占めるにあたって、彼ら専用の対応が必要になっています。当社の管理物件においても、生活保護受給者の数は単身世帯を中心に全体の10%近くの規模まで増えています。数として無視できない規模になってきており、生活保護受給者を取り込まなければ入居率を上げられないところまで来ているのです。

 

一方で生活保護受給者においては一般の方とは異なるデメリットもありますので、リーシングにおいてはそのメリット・デメリットを理解した上で対応していく必要があります。

 

まず生活保護受給者の取り込み方法についてですが、有効な方法としては専門仲介会社との連携が挙げられます。当社のあるさいたま市においては、生活保護受給者を専門に仲介する不動産会社(賃貸仲介会社)が出てきていますが、その会社と連携を取ることで生活保護を受けている入居希望者を優先的に紹介してもらう仕組みを構築しています。

 

生活保護受給者を受け入れるメリットとしては、行政側がお金を出すため、敷金・礼金等の初期費用や2年に一度の更新料をしっかり取れることがあります。現在の市況は空室率が高いため、一般の入居者においては入居交渉の中で初期費用を削られたりすることも多いのですが、生活保護受給者は行政側が寛容なため満額取れます。

 

一方、デメリットとしては、滞納リスクが一般の方に比べて高い点が挙げられます。そのため保証会社への加入を積極的に行う必要があります。現在では当社の提携している複数の保証会社で生活保護受給者の保証をしてくれるようになっていますので、保証会社への加入は優先するべきです。万が一保証会社に入れない場合は、行政から家賃などを直接管理会社に支給してもらう措置を取るべきです。生活保護費がいったん受給者に入ってしまえば、個人的なことに使ってしまい結局滞納、というケースになることが多々あります。

 

ですから、初めから家賃と生活費は別にしてもらい、直接管理会社に振り込んでもらうのが得策でしょう。これによって滞納のリスクはなくなります。ただし、入居後に生活保護を打ち切られたりした場合は滞納リスクがその時点で発生しますので注意が必要です。また、自治体によっては、管理会社へ家賃を支払うことを拒否する自治体もあります。さいたま市においても区ごとにその対応はまちまちなのが実情です。

店舗、事務所の空室には看板設置と直接募集で対応

アパートにおいては、1階や2階に店舗や事務所が入っている場合も多々あります。この店舗・事務所のリーシングについても説明したいと思います。

 

基本的には居室のリーシングと同じようなステップで進めますが、当社で実際にテナントのリーシングを実施し、成果を上げてきた特徴的な方法をご紹介しましょう。

 

まずは看板設置です。店舗や事務所を探す方は必ずしも仲介会社だけで探すわけではなく、ターゲットとする場所の周辺を歩いて探す場合が多くあることをご存じでしょうか。私も起業したときは歩いて事務所を探し、設置してある看板を見て管理会社に問い合わせ、入居を決めました。そのため、対象物件には目立つような看板の設置を行うことは必須です。かつ、大きく連絡先を入れることです。実際、テナント物件においてもこの看板からの集客は相当数あるのです。

 

次に、事務所の場合においては周辺のテナントにFAXやメールで直接募集をかける方法が効果的です。なぜなら事務所物件は、周辺にある会社から移転してくる可能性が高いからです。手狭になり拡張したいケースや逆にコストカットのために縮小しなければいけないケースなど様々な理由はありますが、近隣企業へのアプローチは非常に有効です。まず、周辺企業のリストを専用のリスト会社から購入します。そしてマイソクをFAXもしくはメールで送ります。ポイントはそれを繰り返し行うことです。

 

一等地を除いて、店舗・事務所はいったん空室になると次のテナントがなかなか決まらないのが通例ですが、このような方法を使うことによって決まる確率が高くなっていきます。逆に言えば、現在の市況においては、通常のテナントの空室はここまでやらなければなかなか決まらないとも言えます。

本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『改訂版 空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

本連載は情報の提供及び学習を主な目的としたものであり、著者独自の調査に基づいて執筆されています。実際の投資・経営(管理運営)の成功を保証するものではなく、本連載を参考にしたアパート事業は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。本連載の内容に基づいて経営した結果については、著者および幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。なお、本連載に記載されているデータや法令等は、いずれも執筆当時のものであり、今後、変更されることがあります。

大谷 義武

武蔵コーポレーション株式会社 代表取締役

昭和50年 埼玉県熊谷市生まれ。東京大学経済学部卒業後、三井不動産株式会社に入社。同社にて商業施設(ショッピングセンター)やオフィ スビルの開発・運営業務に携わる。平成17年12月同社を退社し、さいたま市において有限会社武蔵コーポレーション(現在は株式会社)設立。代表取締役に就任。賃貸アパート・マンション(収益用不動産)の売買・仲介に特化した事業を開始する。

著者紹介

武蔵コーポレーション株式会社 常務取締役

昭和52年 東京都葛飾区生まれ。28歳の時に区分所有の物件を購入 し、不動産投資を始める。平成18年創業期の武蔵コーポレーションに入社し、現場責任者として賃貸アパート・マンション(収益用不動産)の売買・ 仲介業務に携わる。特にリフォームに関しての経験は豊富で、現在までに 2000室以上の収益用不動産の再生(リフォーム・改修工事)に携わってい る。再生後の物件入居率は99%を誇る。

著者紹介

連載空室を埋める「リーシングマネジメント」の進め方

空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式

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大谷 義武 太田 大作

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