前回は、点眼薬に使われている「防腐剤」の安全性について説明しました。今回は、「涙点プラグ」によるドライアイ治療の留意点等について見ていきます。

涙点閉鎖は、一旦行うと元に戻すことが難しい

Q:以前、結膜下出血になってから、糸状角膜炎と白目の出血を繰り返しており、とても不安になっています。最近の出血は「半日ぐらいで血液が下に流れていくような感じ」がしています。結膜下出血のときとは、また違う感じです。ドライアイもひどいため涙点プラグを挿入していたのですが、肉芽のため目の下側が挿入できなくなりました。涙点を手術でふさぐのは、その後の生活にかなりリスクがあるのでしょうか?

 

A:「糸状角膜炎と白目の出血を繰り返している」ということは、空気が徐々に乾燥するにつれて症状が悪化してきたのだと思います。また、肉芽のため目の下側に涙点プラグが挿入できなくなったとのことですが、涙点閉鎖について考えることは少し待ってほしいと思います。

 

重症のドライアイなど永久的に塞ぐ必要があるような状態では涙点閉鎖も有効な方法ですが、そうでなければ、他の方法をおすすめします。例えば、今回は肉芽ができていない上涙点にプラグを挿入するという考え方もあります。もしくは、液状のコラーゲンプラグを挿入するという方法もあります。

 

涙点閉鎖は、一旦閉鎖すると元に戻すことが難しくなってしまいます。そのため、安易に手術を選択するのではなく、最後の手段と考えたほうがよいでしょう。

シリコン涙点プラグの装着で、肉芽ができることも

Q:ドライアイでシリコンの涙点プラグ治療をしています。ところが、1回外れたあと半分閉鎖してしまい、すぐに出てきてしまいます。液体の涙点プラグを使用する場合はどれくらい持続するのでしょうか? また、重症の場合は効果がないのでしょうか?

 

A:状況から考えると以前のシリコン製プラグによる異物反応で肉芽ができた状態だと思われます。このような状態だと新しいプラグが入らず困ることがあります。キープティアなどの液体涙点プラグはそのような場合でも挿入可能です。

 

しかしキープティアの涙点閉塞作用は、通常のプラグに比べるとどうしても弱くなります。そのため重症ドライアイの場合には向かないと思われます。また効果の持続期間も短く、長くても8週間ぐらいとされています。

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