投資物件選び・・・「中古」より「新築」を狙うべき理由

今回は、投資物件選びで「中古」より「新築」を狙うべき理由を見ていきます。※本連載では、キャピタリー・アドバイザリー株式会社不動産投資部長 和田一人氏の著書『儲かる不動産投資の教科書』(扶桑社)の中から一部を抜粋し、本当に価値のある不動産を見分ける理論的な評価方法を、初心者でもわかりやすい事例を紹介しながら、その根拠となる評価基準を解説します。

築年数の浅い中古物件のほうが費用も抑えられるが・・・

仮に値段がまったく同じだったとしたら、中古よりも新築に住みたいと思う人のほうが世の中の多数派ではないでしょうか。 しかし、現実にはまったく同じ条件の物件であっても、新築と中古では販売価格がかなり違います。

 

そのうえ、たとえ完成したばかりの物件であっても、わずか1日でも誰かが住めば、転売する際には中古の扱いとなります。さらに、未入居であっても築後1年半が経過すれば、一般的には中古とみなされてしまいます。

 

こうしたことから、新築にこだわるよりも比較的築年数の浅い中古物件を手に入れたほうが費用も抑えられるし、賃貸に出す場合の条件にもさほど差はないのではないかと考える人が少なくありません。

 

確かに、通常は「新築価格>中古価格」ですから、おのずと「中古物件の利回り>新築物件の利回り」ということになりがちです。

 

しかしながら、初期投資を抑えることばかりに気をとられて安直に中古物件を選んでしまうと、大きな後悔を招く可能性があります。

 

利回りが高めになることから、市場に出回っているものでも築20年以上の物件が目立つものの、実は大きなワナが待ち受けているかもしれないのです。

 

当然ですが、建物は歳月の経過とともに老朽化していきます。そして、築20年前後を目安として、屋上の防水や外壁の塗装、設備の更新などといった大規模修繕工事を実施する必要性が生じます

 

つまり、築年数がたっている物件を買うと、この工事費用が発生するタイミングが早くなるわけです。極力先延ばしにしても、いずれどこかで大規模修繕工事を施さなければ、入居者が見つからないオンボロ物件と化してしまいます。

 

しかも、修繕すべき箇所を放置しておくと、建物の劣化がいっそう早く進み、修繕費用がさらにかさんでしまう恐れもあります。中古物件を購入する際には、将来の修繕計画も念頭に置きながら検討すべきです。

 

一方で、新築物件には「一定の利回り以下にはなりにくい」という特性もあります。なぜなら、賃料をローンの返済に充ててもちゃんとお釣りが出る利回りになるような価格設定にしなければ、買い手がなかなか見つからないからです。

 

ただし、相場の高い都心で「表面利回り」が5%以下に設定されている物件の場合は要注意。販売価格に対し、できるだけ多くの自己資金を投入して融資額を抑えないと、月々のローン返済が賃料収入よりも多くなるケースも出てきてしまいます。

新築と比べて中古物件は「割高傾向」が強い

新築と中古、いったいどちらが狙い目なのかという話に戻りましょう。今のところ客観的に見て、「新築と比べて中古物件は割高傾向が強い」というのが私の率直な感想です。

 

その根拠について説明しますので、[図表1]に注目してください。利回りが8%の新築木造アパートを自己資金:1000万円、ローン:4500万円で購入した場合のシミュレーションです。

 

[図表1] 例・新築アパート投資

 

ローンの条件などについては、表の欄外の注釈を参照してください。なお、東京、神奈川、大阪、福岡の賃料下落率が毎年1%だったので、賃料収入の推移にはそのことが反映されています。

 

あなたが新築の物件を買って大家さんデビューを果たしてから20年が経過した後、賃料収入の総額は取得当初よりも減っていますが、ローン残高の減少に伴って自己資金とローン残高を回収できる利回り①は実に22.8%までアップしています。

 

中古物件には利回りが高いものが少なくないとはいえ、さすがに20%を超えるものにお目にかかることは珍しいです。

 

仮に、あなたが大規模修繕工事の前(購入から20年後)にこの物件を手放すとしたら、どうなるでしょうか? 実際には前述した高利回りが得られていますが、中古物件の相場に照らし合わせて11〜14%程度となるように販売価格を設定することになります。

 

つまり、あなたにとってはかなり割高な価格で売ることができ、相当な利益を享受できるということなのです。

 

しかも、利回りアップの推移を見れば明らかなように、新築物件を長期で保有すればするほど、こうして大儲けできる可能性も高まっていきます。

 

もしも、「ちゃんと借金を返せなかったらどうしよう……?」と不安を抱いているとしたら、表中の「利回り②」に注目してください。これは、その時点で物件を手放すはめになった場合に、ローンを全額支払えるだけの利回りを示しています。

 

たとえば5年後に売却せざるをえなくなったとしたら11.2%となりますが、東京や神奈川付近で築5年の木造アパートが11.2%の表面利回りで売れないということはまず考えられません。

 

したがって、手放すことになっても売却代金で残債は全額返済できるものと思われます。

本連載は、2016年2月刊行の書籍『儲かる不動産の教科書』から抜粋したものです。その後の法律、税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載儲かるのはどっち?~本当に価値ある投資物件の見分け方

キャピタル・アドバイザリー株式会社 不動産投資部長

世界有数のコンサルティング会社KPMG FASで、破たん金融機関の資産査定における不動産評価の責任者として、評価基準の作成、評価指導に当たる。その後、不動産ファンド会社グローバル・アライアンス・リアリティに移籍してアセットマネージャーとして頭角を現し、上場不動産ファンド会社アセット・マネジャーズ(現いちごグループ)にて収益不動産の投資責任者を担う。累計1000億円以上の投資実績を持ち、鑑定評価を含む評価実績は1万件以上を誇る「不動産評価」のプロ。収益不動産投資、仲介、M&Aを行うほか、個人へのコンサルティングも手掛ける。

著者紹介

儲かる不動産投資の教科書

儲かる不動産投資の教科書

和田 一人

扶桑社

新築物件VS中古物件、RCマンションVS木造アパート、ファミリータイプVSワンルーム、オフィスVSレジデンス、固定金利VS変動金利…。本当に儲かるのはどっち? 真のプロだけが知っている、本当に価値ある投資物件の見分け方を伝…

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