前回は、どのような方にリバースモーゲージ活用のメリットがあるのかを解説しました。最終回の今回は、リバースモーゲージに関する今後の課題と展望についてお伝えします。

老後資金の不安を抱える人は、今後も増加傾向に

アメリカなど欧米諸国に比べると、日本では依然リバースモーゲージの認知が低いことから普及が進んでおらず、その仕組みや商品性についての理解も低いのが現状です。


日本では、リタイヤ層の金融資産の保有量が多いこともあり、「リバースモーゲージはお金がない人が使うもの」「自宅を担保に入れてまで借金するなんて・・・」という意識を持つ人もまだまだ多く、自分ごととして検討している人は一般的ではありません。


一方で、高齢世帯の所得環境の悪化、平均寿命の一層の伸長と要介護認定の増加、団塊世代の大量離職、年金受給年齢の繰り延べなど、老後資金の不安を抱える人は今後ますます増え、老後資金の必要性はさらに高まることが予想されます。

多くの高齢者の「有効な解決策」の一つに

日本では、60歳以上の持ち家率は90%超であり、持ち家の有効活用によって「お金の寿命」を長くすることができるリバースモーゲージは、多くの高齢者に有効な解決策となる可能性が高いといえるでしょう。リバースモーゲージ先進国の米国の市場は年間融資額2兆円弱、累計融資額は約24兆円と社会的な制度として広く認知されています。


日本でも、主に以下の環境変化により、リバースモーゲージへの関心がますます高まり、利用者が増加すると共に、リバースモーゲージを活用することが一般的な行為として認識されていくものと考えられます。

 

●リバースモーゲージの対象年齢人口のさらなる増加

 

●取り扱い金融機関の増加により、提供される商品が多様化する

 

●利用者にとっての選択肢が拡大

 

●核家庭の第一世代で自宅を子どもに残すという意識のうすい団塊の世代が対象年齢となる


もちろん、リバースモーゲージは全ての人に向く仕組みではありませんが、自宅を上手く活用することで、老後の生活にゆとりを持たせることができ、楽しく充実した日々を送ることができるのも事実です。

 

相続税制改正により、次世代へのスムースな資金移動を事前にきちんと考えておくことも重要になってきていることもあり、老後資金を豊かにすることだけでなく相続の観点での選択肢としてもリバースモーゲージの意義は今後ますます大きくなってくるといえるでしょう。
 

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