前回は、柴犬マークがユニークな「ドージコイン」の特徴を解説しました。今回は、ドージコインが世界に広まるきっかけにもなった、そのユニークな使われ方を見ていきます。

募金活動、プロジェクトの寄付金などに使われた事例

ドージコインが世界中で広まった理由のひとつとして、そのユニークな使われ方が挙げられます。いくつかの例を紹介します。

 

2014年のソチオリンピックにおいて、ジャマイカのボブスレーチームが出場資格があるにもかかわらず資金不足で出場が難しくなっていました。そこでドージコインコミュニティが、ドージコインによる募金活動を呼びかけました。その結果、翌日には3万ドル相当のドージコインが集まり、ドージコインとビットコインの交換レートが大幅に上昇するほどの大きな影響を与えました。また、その第2弾としてアスリートのShivaKeshavan(シヴァ・ケシュヴァン)氏に対しても募金が行われました。

 

また、ケニアのタナ川流域に井戸を掘るプロジェクトの寄付金として使われ、こちらも3万ドル相当が集まりました。

 

さらに、米国ミネソタ州に住んでいる起業家は、ドージコイン1億枚と自分の別荘を交換に出したりするなどユニークな使われ方が目立ちます。

「to the moon」というフレーズまで・・・

ドージコインをリリースした直後に、24時間以内に流通量が300%増加するなど爆発的な成長を見せた期間がありました。

 

この時、ドージコインコミュニティはもちろんのこと、他のアルトコインのコミュニティまでもがドージコインの価値上昇に対して興奮のうちに見守っており、どこまでも価値が上がっていく様子を「月にまで届くほどだ」と例え、「to the moon」というフレーズが生まれました。

 

特に当時中国では、銀行でのビットコイン取引が政府の規制により禁止された(後に解除された)影響で、ビットコインの価値が下落していました。それに付随して他のアルトコインの価値も下落していたので、ドージコインの価値上昇が際立ちました。

 

それ以降、急激な価値上昇の際には、このときに生まれた「to the moon」というフレーズが使われるようになりました。

本連載は、2016年11月24日刊行の書籍『一冊でまるわかり 暗号通貨 2016~2017』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

一冊でまるわかり 暗号通貨2016~2017

一冊でまるわかり 暗号通貨2016~2017

森川 夢佑斗

幻冬舎メディアコンサルティング

電気代を暗号通貨で支払えるようになる――こんなニュースが伝えられるなど、「暗号通貨経済」の到来が間近になっている。本書は「ビットコイン」をはじめとする暗号通貨やそれを支えるブロックチェーンについて、興味を持って…

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