経営者も注意したい「銀行による顧客の印鑑等の預かり」

今回は、「銀行による顧客の印鑑等の預かり」について見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

銀行に預けていた「定期預金の通帳」

金融庁による、銀行監督指針における、不適切な取引の発生の防止には、いくつかの項目が挙げられています。

 

そのなかのひとつに、「顧客の印鑑等の預かり」というものがあります。

 

“ええ?まさか?印鑑なんて預けますか?”
という方もおられるでしょう。
私も、「印鑑を預けていた」、という事実は聞いたことがありません。

 

しかし、“通帳を銀行に預けていることがわかりました!”ということは、実際にあったのです。通帳はまさしく、「印鑑等」に該当しますね。

 

それも、定期預金の通帳だったのです。かなり以前に、定期預金をさせられた際に、“手前どもで通帳も預からせていただきます”となり、安易に承諾していたのです。

銀行員の態度がガラリと変わったひと言

時代は移り変わり、定期を解約して返済に充てようとしたら、通帳がないわけです。
で、銀行に言うと、“お預かりしています”と、発覚したわけです。

 

しかも、通帳の返還を要求すると、“お預かりする約束になっているので、返せません”
と、言うのです。

 

で、交渉の場にいた役員も疑問を感じ、“通帳を預かることは普通にあることなのか、指導いただいているコンサルタントの先生に聞いてみます”

 

と言うと、銀行員の態度がガラリと変わり、
“いやいや、それは、その、私も、上の者からそう言われておるだけですので、一度持ち帰って、返答させていただきます。”となりました。

 

きっちりと言い返した役員は、立派です。ずっと凍結している定期預金がある場合、
通帳を預けている、ということが、あるかもしれないのです。

 

満期をすぎた、古い定期預金が残っている、という方は、一度、チェックしてみてください。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

株式会社アイ・シー・オーコンサルティング 代表取締役

昭和40年 大阪府生まれ。

平成元年 関西大学卒業後、兵庫県の中堅洋菓子メーカーに入社。経理、総務、人事、生産管理、工程管理、広報など、主たる管理部門で実力を発揮。

平成17年 株式会社アイ・シー・オーコンサルティングに加わり、経営指導業務を開始する。
以降、長年の現場実務経験と、師匠である井上和弘(アイ・シー・オーコンサルティング会長)の《井上式経営術》を武器に、日々、中小企業の黒子としての経営指導に邁進している。

指導実績:財務改善、税務・銀行対策、労務問題改善、経営企画、管理会計、IT・システム化、事業承継など。
また、日本経営合理化協会主催「後継社長塾」(塾長:井上和弘)、に塾長補佐として参加し、後継社長の育成にも尽力している。

著者紹介

連載経営者必読!融資を勝ち取る銀行交渉術

経営者の財務力を一気に アップさせる本〔補訂版〕

経営者の財務力を一気に アップさせる本〔補訂版〕

古山 喜章,井上 和弘

東峰書房

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