前回は、実際の入居者が「楽器可防音賃貸マンション」を選んだ理由を見ていきました。今回は、入居者に「つながり」を提供できるマンションについて見ていきます。

自ら命を絶ったある入居者

入居者に満足感を与えることができなければ、どのような事態を招くのか―過去に、私は、そのような問題について深く考えさせられる出来事に直面しました。

 

当社が設計し賃貸していたRC一棟のデザイナーズマンションで、ある入居者の方が自ら命を絶たれてしまったのです。亡くなられた方は、地方の出身者で30代の男性でした。勤めていた会社が、俗にいうブラック企業だったらしく、職場での上司の威圧的な態度などに日ごろからひどく悩まされていたようです。

 

また、そうした仕事上の悩み、苦しみについて、心安く相談したり、悩みを打ち明けられる人も周りにはいなかったようです。追いつめられた末に、もはや死を選ぶしか解決策を見いだせない絶望的な心理状態に陥ってしまったのかもしれません。

自問自答を繰り返し、至った思い

この事件に大きなショックを受けた私は、自らのマンション経営のあり方を根本的に考え直してみました。

 

「もしかしたら、マンションの外観がよくない影響を及ぼしてしまったのだろうか。流行
のデザインを取り入れたつもりだったのだが……」

 

自分がこれまで手がけてきた物件に問題はなかったのか、建物の外観のデザイン性ばかりに目が行きすぎて、入居者に対し、住まいにおける「安心」や「住まうことで得られる喜び」などの内面的な価値を提供できていなかったのではないか―そんな自問自答を繰り返す中で、今、人の暮らす場に何よりも求められているのは「つながり」ではないだろうかと思い至ったのです。

本連載は、2016年3月1日刊行の書籍『"楽器可防音マンション経営"で実現する鉄壁の資産防衛』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

"楽器可防音マンション経営"で 実現する鉄壁の資産防衛

"楽器可防音マンション経営"で 実現する鉄壁の資産防衛

大塚 五郎右エ門

幻冬舎メディアコンサルティング

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