農業分野にも広がる、スリランカの新しい「連帯の輪」

最終回は、売買や交流を促すなど日頃から出逢いのきっかけを提供している市場についてです。スリランカのThe Good Marketは、場所の提供を本来の事業としながら、市場の外で奮闘する農家たちを支援する仕組みを生み出しています。

生産者と消費者のコラボで有機農法を認証

The Good Marketには、健康・福祉産業や環境に良いスリランカ産製品やサービスをPRする目的で、異なる背景を持つ多数の事業が集まってくる。コロンボにあるRacecourse複合商業施設のそばで、毎週土曜日に開催されるポップアップ(※1)マーケットだ。

 

The Good Marketは社会や環境を尊重する生産者、サービス提供者、そして消費者がコラボレーションできる場所でもある。

 

The Good Marketはオーガニック食品しか売らない。2013年のはじめ、The Good Marketの生産者と消費者は有機農業の国際標準に沿うかたちでThe Good Market独自の参加型有機認証PGS(※2)を立ち上げた。PGSでは、利害関係者から干渉を受けていない国の認定機関の検査員を農場に派遣し、その農家が国際標準を満たしているかを確認する。

 

有機農業の国際標準認定を受けるには、スリランカの小さな農家が背負わないといけない経済的負担は驚くほど大きく、The Good Market主導の認定の方が遥かに安く取得しやすい。なお、農家は有機農業を最低1年実践しないとPGSへの参加権利が与えられないのだ。目的はコストを抑え、消費者全体にとってオーガニック食品を買いやすいものにすることである。

フェアトレードにも対象を拡大へ

有機農業のPGSをもとに、The Good MarketはフェアトレードのPGSも始める予定だ。つまり、The Good Marketに出店している手工芸業者は、労働環境の向上のために取引条件の改善に取り組み、社会にも環境にも良い影響をもたらすフェアトレードに貢献していると対外的にアピールすることが出来る。

 

The Good Marketは、ソウルフードの中でも瓶詰めのヴィーガン食品(菜食)や無糖食品などのスリランカで手に入る資源でつくられた地元の食品から生地の切れ端で出来た衣料品まで幅広くPRすることで、この地球やコミュニティ、そして自らの健康のために、消費者がより良い選択を出来るよう手助けする事業者をサポートしている。

 

※1 ポップアップ
一定の期間のみ、ビルの一角などを間借りする出店形態。常時、土地を確保しなくていいことからコストを安く抑えることが出来る上に、実施そのものにイベント性があることからメデイアとして機能する点がメリット。

※2 参加型有機認証(PGS)
地域に根ざして、生産者と消費者が連携して定めることに特徴のある、有機農産物などの品質保証システムのこと。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2015年7月に掲載した「Space To Collaborate」を、翻訳・編集したものです。

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連載「コラボレーション」で生まれる新たな可能性――スリランカの最新ビジネス事情

『ECHELON(エシュロン)』は、スリランカの三大ビジネス誌のひとつ。著名な経営者・ビジネスパーソンのインタビュー記事から、同国の金融・経済・投資・不動産などの最新事情、ラグジュアリーなアイテムやライフスタイル等の記事を幅広く掲載。経営者層やハイクラスなビジネスパーソンなど、同国の物的・知的富裕層を多数読者に抱える。(写真はチェアマンのChanna De Silva氏)

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