(※写真はイメージです/PIXTA)

「下流老人」「老後破産」…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。老後に必要なお金、貯められていますか? 厚生労働省『平成29年 年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)』を見ていきましょう。

年金「繰上げ」はベストな選択肢か?…「結構な減額率」

■繰上げ受給の状況

 

年金については「繰上げ受給」「繰下げ受給」も度々話題になっています。原則として65歳からですが、60~65歳になるまでの間から繰上げスタートできます。この場合、月々の年金は減額されますが、長期にわたって受給することが可能になります。

 

昭和16年4月1日以前に生まれた方についての減額率は下記のとおり。この数値は一生変わりません。

 

請求時の年齢・・・減額率

60歳0ヵ月~60歳11ヵ月・・・42%

61歳0ヵ月~61歳11ヵ月・・・35%

62歳0ヵ月~62歳11ヵ月・・・28%

63歳0ヵ月~63歳11ヵ月・・・20%

64歳0ヵ月~64歳11ヵ月・・・11%

 

なお最新の見直しにより、令和4年4月からは「昭和37年4月1日以前生まれの方」はひと月当たり減額率0.5%、「昭和37年4月2日以降生まれの方」はひと月当たり減額率0.4%となっています。

 

昭和37年4月1日以前生まれの方が60歳0ヵ月より受給を開始すると減額率30.0%、60歳1ヵ月より開始すると減額率25.5%……という具合です。

 

実際の繰上げ受給の状況をみると、「繰上げ受給をした」が男性では8.0%、女性では14.8%となっています。これを年齢階級別にみると、男性では、75~79歳が「繰上げ受給をした」の割合が最も低く、女性では、年齢が高いほど「繰上げ受給をした」の割合が高くなる傾向があります。

 

あまりの減額率にギョッとした方もいるかもしれません。逆に65以降の「繰下げ」を選択した場合、1ヵ月につき増額率0.7%、最大で42%増額されますから、「健康で働けるうちは年金をもらわないでおこう」といった選択肢も視野に入れられるでしょう。ただ、老い先何があるかわからないもの。収入・支出を加味した決定が求められます。

 

自分の年金加入記録については、日本年金機構から毎年誕生月に送付される「ねんきん定期便」や、「ねんきんネット」から閲覧することができます。ねんきんネットでは年金見込額の試算もできますから、まずは「自分がいくらもらえるのか?」確かめてみることも一手といえましょう。

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