今週の注目点…米GDP発表、日銀会合
今週は引き続き、米景気の動向が注目されます。なかでも注目されるのが、2024年10~12月期の米実質GDP速報値です。前期(2023年7~9月期)は5%近い、成熟した先進国の米国の四半期成長率としては「異例の高成長」となったところからの減速を織り込む形で米金利が大きく低下した可能性があったため、米ドル/円に影響の大きい米金利の動向を見極めるうえで、米景気の減速の程度が注目されることになりそうです。
下記のように、経済指標カレンダーを参考にすると、今のところ一般的な予想では、前期比年率で1%台に伸び率が減速する予想のようです。
しかし、前期の異例の高成長を予測的中したとの評価になっているアトランタ連銀の経済予測モデルであるGDPナウなどは、同2%以上と、より強気の予想となっています。
このため、米景気の減速の程度の見極めは、当面の米金利と米ドルの行方を考えるうえで大きな焦点となるのではないでしょうか。
<23日>12月米景気先行指数(前月比)=前回-0.5%
<25日>10~12月期米実質GDP伸び率(前期比年率)=前期4.9%、予想1.4%
<26日>12月PCEコアデフレータ(前年比)=前回3.2%、予想3%
また今週は、23日に日銀、そして25日にはECB(欧州中央銀行)の金融政策決定会合が予定されています。
日銀については、政策変更はないとみられています。基本的には賃上げ動向などを見極めながら、3、4月の会合で現行のマイナス金利解除を行うとの見方が一般的なところでしょう。それが、今回の能登半島地震などを受けてさらに先送りされる可能性も出てきたか、見極めることになりそうです。
米ドル/円は先週、144円台で取引スタートとなりましたが、一時は149円近くまで、最大で4円の一段高となりました。
引き続き、高いボラティリティ(変動率)が続いています。今週は、これまで見てきたように、「米金利上昇=米ドル高」の限界を確認する可能性が高いと考えていますが、ボラティリティが上昇しやすい日銀イベントも予定されていることなどを踏まえて、145~150円中心での展開を予想したいと思います。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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