妻から突然の「卒婚宣言」で年金減額…Fさんのケース
大手製薬会社の研究職だったFさんは70歳まで働き、70歳以降、42%アップした公的年金と貯蓄で、悠々自適の生活を送る予定でした。夫婦お互いの趣味を楽しんだり、旅行の回数も増やしたいと考えています。
ところが、妻から想像だにしなかった話をされて、状況は一転。
70歳で退職となったTさんは、慰労会として高級ホテルのレストランで妻との食事を企画します。仕事が多忙だったために、いままで面と向かって話をする機会を持たなかったので、これからの生活も含めてゆっくり話をしようと考えていました。ところが、妻の口から出たのはまさかの「夫婦の卒婚(離婚)」。
「これから残りの人生は、お互い別々に自由に過ごしましょう。そのために夫婦で築いた財産と年金は半分ずつわけてください」と言われ、Tさんは、ただ茫然と立ち尽くしてしまいます。
Tさんが、思い描いていたライフプランは崩れ去り、代理人(弁護士)をたて、財産分与のため、貯金・年金(按分割合)をそれぞれ50%ずつわけることになります。これにより、お金は半分になったとしても生活費は半分になるわけではなく、老後破産する可能性まででてきました。
いままで、Tさんはなにも家事をすることなく、仕事一筋できたため、老後はゆとりある生活どころか、家事を学ぶところから始めることになります。
自身で防ぐことができるものもある「年金減額」
人生100年時代となり、2021(令和3)年4月1日から施行された、高年齢者雇用安定法の改正により、70歳までの就業機会の確保が努力義務となりました。
しっかり老後について計画しているつもりでも、年金制度の理解が浅いとTさんのような事態になりかねません。
また、仕事一筋だったFさんは、家庭を妻(配偶者)に任せ、妻はFさんが家にいないのが当たり前のような生活をしてきた結果、退職後に毎日家にいる生活不安から、卒婚を言い渡されることもあり得るのです。
日ごろから、引退してからのライフプランについて、「知らなかった」で損することのないよう、またそれを夫婦でコミュニケーションをとって共有しておくことが大切です。
<参考>
三藤 桂子
社会保険労務士法人エニシアFP
代表
注目のセミナー情報
【国内不動産】5月13日(月)開催
銀行からフルローンを引き出す「最新不動産投資戦略」
利回り7%超!「新築アパート投資」セミナー
~キャッシュフローを最大化させるためのポイントも徹底解説
【国内不動産】5月16日(木)開催
東京23区×新築×RC造のデザイナーズマンションで
〈5.5%超の利回り・1億円超の売却益〉を実現
物件開発のプロが伝授する「土地選び」の極意
【事業投資】5月25日(土)開催
驚異の「年利50% !?」“希少価値”と“円安”も追い風に…
勝てるBar投資「お酒の美術館」とは
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走