(※画像はイメージです/PIXTA)

「2025年問題」というのをご存じでしょうか。いわゆる「団塊の世代」が2025年にすべて75歳以上の「後期高齢者」になることによって様々な問題の発生が予想されます。その子の世代が「就職氷河期世代」のボリュームゾーンにあたることから、親世代が介護状態になった場合の「お金」の問題が発生します。本記事で解説します。

働きながら親の介護をする場合の「公的保障」は?

親を老人ホームに入れられないとなると、働きながら親の介護をするしかありません。その場合、現実的な考え方としては、可能な限り「公的制度」に頼らざるを得ません。たとえば、以下のような制度があります。

 

・介護休業・介護休業給付

・高齢者住宅改修費用助成制度

 

それぞれ、どのようなものか、現状の制度の課題も含めて説明します。

 

◆介護休業・介護休業給付

まず、「介護休業」と、これを取得した場合にもらえる「介護休業給付金」です。

 

介護休業は、「家族1名あたり93日まで」「計3回まで」受給することができます。介護休業給付金は、介護休業を取得した場合に、雇用保険から給与の67%(約3分の2)を受け取れます。

 

制度上は、正社員・非正規社員を問わず、利用することが認められています。ただし、非正規社員の場合、労働契約の期間が、介護休業開始予定日から93日経過日から6ヵ月後までに満了することが明らかである場合は、取得することができません。

 

介護休業の取得には「家族1人あたり93日・計3回まで」という制限があります。したがって、たとえば、通院等の付き添いや、介護サービスの手続の代行、ケアマネジャーとの短時間の打ち合わせを行うために1日、あるいは数時間だけ休業するというのには向きません。

 

短期・短時間の休業を取得したい場合には、「介護休暇」という制度を利用できますが、この場合、「有給」にするかどうかは事業所の判断となっています。したがって、事実上、「有給休暇」を優先して取得せざるをえないケースが多いとみられます。

 

したがって、現状では「介護休業給付」「介護休暇」ともに、非正規雇用の労働者にとって、決して利用しやすい制度になっているとはいえません。

 

介護休業の取得回数の制限を改めて柔軟に取得できるようにする、介護休業給付金については最低でも手取りの満額を保障する、介護休暇を「有給」にする、などの制度改定が望まれます。

 

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