(※写真はイメージです/PIXTA)

厚生労働省年金局『令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』より、都道府県別の年金受給状況をみていきます。

都道府県別「年金ランキング」最高額の県は?

厚生労働省年金局『令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』では、年金支給金額を地域別に発表しています。

 

まずは厚生年金の受給状況をみていくと、受給月額平均が最も高いのは、1位神奈川県「16万5,321円」。2位千葉県「16万17円」、3位東京都「15万8,661円」と続きます。なお受給者数が100万人を超えるのは神奈川と東京の2都県だけです([図表1]参照)。

 

都道府県別厚生年金 厚生労働省年金局『令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』
[図表1]都道府県別厚生年金厚生労働省年金局『令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』

 

全国平均(14万5,665円)と近しい金額となったのは、13位静岡県「14万5,975円」、14位広島県「14万5,408円」。以降、21位福岡県「14万261円」と続き、22位宮城県「13万9,086円」より14万円を割り込みます。13万円台となったのは、34位福島県までの計13県。さらにそれ以降の13県が年金「12万円台」という結果でした。

 

一方、国民年金を地域別にみると、厚生年金とはまた違った様相がみえてきます。

 

国民年金ランキングで上位となったのは、1位富山県「6万34円」、2位福井県「5万9,339円」、3位島根県「5万9,276円」。全国平均(5万6,479円)と近しい金額になったのは、24位福島県「5万6,653円」、25位宮崎県「5万6,469円」です([図表2]参照)。

 

厚生労働省年金局『令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』
[図表2]都道府県別国民年金 厚生労働省年金局『令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』

 

厚生年金のような万単位の差額はありませんが、47位の沖縄県は「5万2,112円」という結果です。

 

なお国民年金については、納付率の地域差が問題になっています。日本年金機構『令和元 年 国民年金保険料納付率の地域差について』によると、最も納付率が高いのは島根県「87.0%」。一方最も納付率が低いのは沖縄県「61.5%」と、島根県と25.5%ものかい離が生じています。

 

納付率の差について同調査では「口座振替の利用有無」を一因として挙げています。 口座振替を利用したことがない者について、その理由を調査したところ、下位3県(東京・大阪・沖縄)では、6割から7割程度が「今までの方法で特に不都合はないから」「自分の都合で納めたいから」と回答しています。

 

「どうせもらえない…」といった現役世代の嘆きの声も聞こえますが、「もう国民年金保険料を払うのやめた!」という選択肢をとってしまうと、受給資格そのものがなくなってしまうことも。

 

とはいえ、老後資金のために今の生活が苦しくなるのはもってのほかです。受給状況、納付率ともに、地域格差の是正が急がれています。

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