思い込みはキケン…“覆せぬ後悔”をしないために
年金事務所によると、Aさんの場合、在職中でもカットされない特老厚は48ヵ月分で合計約200万円あったそうです。
Aさんは、66歳になる頃までに特老厚の手続きをしていた場合、5年の時効にかかわらず、48ヵ月分(200万円)すべてをさかのぼって受け取ることも可能でした。しかし、Aさんはその200万円を受け取る権利を失う形になったのです。やらかした……Aさんは肩を落として年金事務所を後にしました。
Aさんは思い込みによって「本来受け取れるはずの年金」を受け取ることができませんでした。実は、Aさんのようなケースは少なくありません。年金が「いつから・いくら」受け取れるのかは、支給開始年齢や年金加入記録、働き方によっても異なりますし、家族構成によっては年金に加算がある場合もあります。
したがって、60歳を迎える前からご自身の記録を確認し、年金制度について不明な点は年金事務所等で相談して備えることをおすすめします。必要な手続きは、必要な時期に確実に進めていくことが大切です。
井内 義典
株式会社よこはまライフプランニング代表取締役
特定社会保険労務士/CFPⓇ認定者
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