2|各省庁の要望
そもそも様々な業界がこの時期に税制改正要望をまとめるのは、今後予算・税制の検討が政府、省庁、最終的には国会にむけて検討が進められるのに、時期を合わせているためである。
ではその各省庁において、概算要求とともに、税制改正要望事項はどうなっているのか、をみる。
例年に比べて、保険年金関係の要望は少ないように見受けられるが、以下の通りである。
<金融庁>
保険・年金関連では、昨年、「資産所得倍増プラン」関連として、NISAの抜本的改革(積立期間、毎年の投資枠、積立限度額、つみたてNASAの対象年齢など)がなされ2024年1月からの実施を待つ状況であるが、利便性向上のためのデジタル化・簡素化要望が出されている。他には、金融所得課税の一体化などを要望している。
また上記の生保業界の要望を受けて生命保険料控除拡充と相続税関係の事項を要望している。(なお、特別法人税の撤廃については、今回は要望されていない。)
<厚生労働省>
健康・医療、福祉・子育て、雇用、生活衛生などの幅広い分野の要望項目が挙げられている。今回は年金分野の要望はあげられていない。
3.今後の動きについて
各省庁から財務省に要望が出されたあと、その要望に沿って財源と対費用効果について折衝がなされ、政府あるいは与党の税制調査会で議論がなされていくことになる。
実質的には12月中旬の与党税制改正大綱の発表の中で、ほぼ細部まで確定し、あとはそれを法律に反映させて、年明けの国会で予算案全体の中で正式に決まる。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走