(写真はイメージです/PIXTA)

2023年8月末に各省庁の概算要求が出そろい、2024年度に向けた予算・税改正の動きが始まりました。本稿では、ニッセイ基礎研究所の安井義浩氏が、2024年度税制改正要望を分析し、保険・年金に関する税制改正要望について解説します。

2|各省庁の要望

そもそも様々な業界がこの時期に税制改正要望をまとめるのは、今後予算・税制の検討が政府、省庁、最終的には国会にむけて検討が進められるのに、時期を合わせているためである。

 

ではその各省庁において、概算要求とともに、税制改正要望事項はどうなっているのか、をみる。

 

例年に比べて、保険年金関係の要望は少ないように見受けられるが、以下の通りである。

 

<金融庁>

保険・年金関連では、昨年、「資産所得倍増プラン」関連として、NISAの抜本的改革(積立期間、毎年の投資枠、積立限度額、つみたてNASAの対象年齢など)がなされ2024年1月からの実施を待つ状況であるが、利便性向上のためのデジタル化・簡素化要望が出されている。他には、金融所得課税の一体化などを要望している。

 

また上記の生保業界の要望を受けて生命保険料控除拡充と相続税関係の事項を要望している。(なお、特別法人税の撤廃については、今回は要望されていない。)

 

<厚生労働省>

健康・医療、福祉・子育て、雇用、生活衛生などの幅広い分野の要望項目が挙げられている。今回は年金分野の要望はあげられていない。

 

3.今後の動きについて

各省庁から財務省に要望が出されたあと、その要望に沿って財源と対費用効果について折衝がなされ、政府あるいは与党の税制調査会で議論がなされていくことになる。

 

実質的には12月中旬の与党税制改正大綱の発表の中で、ほぼ細部まで確定し、あとはそれを法律に反映させて、年明けの国会で予算案全体の中で正式に決まる。

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年9月28日に公開したレポートを転載したものです。

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