米ドル/円「1ドル150円」まで円安進むと…反対に「急激な円高」が発生する可能性【国際金融アナリストが解説】

9月26日~10月2日「FX投資戦略ポイント」

米ドル/円「1ドル150円」まで円安進むと…反対に「急激な円高」が発生する可能性【国際金融アナリストが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

先週の米ドル/円相場は、20日のFOMCと22日の日銀会合というビッグイベントがあったものの特段方向感はでず、140円台後半でもみあう動きとなりました。こうしたなか、市場で1ドル150円の大台を目指す動きとなった場合、かえって「急激な円高」が発生する可能性があると、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏はいいます。それはなぜか、詳しくみていきましょう。

今週の注目点…FOMC後のリスクオフは続くのか

先週のFOMCでタカ派姿勢が、そして日銀会合では緩和見直しを急がなさそうなことが確認されたことで、日米金利差を手掛かりにさらなる米ドル高・円安を模索する状況は今週も続くと予想します。

 

ただ先週は実現しなかったものの、日本政府関係者の発言などを見る限り、先週までの米ドル高値を更新、150円の大台を目指す動きとなった場合は円安阻止介入が再開される可能性が高いでしょう。

 

ちなみに、日本の通貨当局は2022年に円安阻止の米ドル売り・円買い介入に3回出動しましたが、介入が行われた当日の米ドル/円は5円前後の大幅反落となりました。これを参考にすると、米ドル高・円安が一段と進み、為替介入との攻防が再現した場合、米ドル/円は米ドル高値圏で乱高下する可能性があります。

 

もう一つの注目は、株価の動向です。FOMCのタカ派姿勢への警戒などから、先週は米国を中心に株価が世界的に大きく下落しました。このような株安、リスクオフが続くようなら、円売りに大きく傾斜したポジションのさらなる拡大には自ずと限度があり、むしろ円売りポジションの圧縮に伴う円買い戻しが進む可能性もあります。

 

以上を踏まえると、今週の米ドル/円はさらなる米ドル高・円安が意外に進みあぐねるか、そうではなくて米ドル高・円安が一段と進んだ場合は日本の通貨当局による円安阻止介入再開で、一時的に急激な米ドル安・円高となる可能性があるでしょう。そのようななか、今週の米ドル/円の予想レンジは145~150円を中心に想定しています。

 

 

吉田 恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

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