今週の注目点…FOMC後のリスクオフは続くのか
先週のFOMCでタカ派姿勢が、そして日銀会合では緩和見直しを急がなさそうなことが確認されたことで、日米金利差を手掛かりにさらなる米ドル高・円安を模索する状況は今週も続くと予想します。
ただ先週は実現しなかったものの、日本政府関係者の発言などを見る限り、先週までの米ドル高値を更新、150円の大台を目指す動きとなった場合は円安阻止介入が再開される可能性が高いでしょう。
ちなみに、日本の通貨当局は2022年に円安阻止の米ドル売り・円買い介入に3回出動しましたが、介入が行われた当日の米ドル/円は5円前後の大幅反落となりました。これを参考にすると、米ドル高・円安が一段と進み、為替介入との攻防が再現した場合、米ドル/円は米ドル高値圏で乱高下する可能性があります。
もう一つの注目は、株価の動向です。FOMCのタカ派姿勢への警戒などから、先週は米国を中心に株価が世界的に大きく下落しました。このような株安、リスクオフが続くようなら、円売りに大きく傾斜したポジションのさらなる拡大には自ずと限度があり、むしろ円売りポジションの圧縮に伴う円買い戻しが進む可能性もあります。
以上を踏まえると、今週の米ドル/円はさらなる米ドル高・円安が意外に進みあぐねるか、そうではなくて米ドル高・円安が一段と進んだ場合は日本の通貨当局による円安阻止介入再開で、一時的に急激な米ドル安・円高となる可能性があるでしょう。そのようななか、今週の米ドル/円の予想レンジは145~150円を中心に想定しています。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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