(※画像はイメージです/PIXTA)

日銀が9月20日に発表した「資金循環統計」によると、個人が保有する金融資産は2023年6月末時点で約2,115兆円と、過去最高を記録しました。その主な要因として挙げられるのが、その前の四半期(2023年1月~3月)と比べ「株式」と「投資信託」の残高が大幅に増えたことです。本記事では、株式と投資信託について、それぞれどのような性質をもつ金融商品なのか、値動きのしくみやリスクにも触れながら解説します。

増加率が顕著だった「株式」「投資信託」

日銀が発表した「資金循環統計」は、日本国内の金融機関、法人、家計といった経済主体について、金融資産・負債の残高・増減を「預金」「貸出」等の項目ごとに記録した統計です。四半期を1つの期間として、その四半期の3ヶ月後に速報が、6ヶ月後に確報が公表されます。今回発表されたのは2023年4月~6月四半期の速報です。

 

そのなかで、個人(家計)が保有する金融資産の総額は2,114兆8,575億円と、その前の四半期の2,022兆7,464億円より4.6%増加し、過去最高を記録しました。

 

金融資産のうち最も大きな割合を占めるのが「現金・預金」で1,117兆4,473億円(52.8%)と過半数にあたります。ただし、前四半期と比べての増加率は1.4%に留まります。その次に多いのが「保険・年金」の537兆9,359億円(25.4%)ですが、こちらも、増加率は0.3%と、ほとんど増加していません。

 

これらに対し、顕著な増加率を記録したのが「株式」と「投資信託」です。株式(上場株式と非上場株式)は206兆9,523億円から262兆3,303億円へと26.8%増加し、投資信託は86兆5,116億円から100兆2,792億円へと15.9%増加しています。その背景には、株価の上昇があります。

 

ちなみに、10年前の2013年4月~6月の四半期と比べると、個人の金融資産総額は1,666兆97億円から2,114兆8,575億円へと26.9%増加しています。これに対し、株式は140兆779億円から262兆3,303億円へと87.3%の増加、投資信託は65兆1,139億円から100兆2,792億円へと54.0%の増加と、顕著な増加率を示しています。この10年間で、株式・投資信託を保有する人が増加したことと、株式・投資信託の価格自体も上昇したことがうかがわれます。

 

昨今は、物価高が家計を苦しめています。エネルギー価格や食料価格が世界的に高騰しているうえ、円安が続いているためです。そんななかで、今回のような統計データに接すると、株式や投資信託を保有することに魅力を感じるかもしれません。

 

ただし、他方で、「株で損をした」「投資で損をした」という話を聞くことが多く、不安を感じるのも事実です。そこで、株式や投資信託はどのような特徴をもつ金融商品なのか、リスクやその対処法も含め、解説します。

「株式」の金融商品としての特徴

株式は、会社が活動資金を集めるために発行するものです。株式を購入した人はその会社の「株主」となります。投資対象となる株式は、主に、証券取引所を通じて売買される「上場株式」です。

 

株式に投資して保有すると、以下の3種類の利益を得られる可能性があります。

 

【株式投資による利益】

・譲渡益:購入時より株式の価格(株価)が上昇したときに株式を売却して得られる利益

・配当金:会社が得た利益の一部を株主に還元するお金

・株主優待:会社が株主に対し自社の商品・サービス等をお得に提供すること

 

これらのうち、「株で儲かった」というのは主に譲渡益をさします。会社が着実に収益を上げ、かつ、市場が成長していけば、株価が上昇していく可能性が高いといえます。したがって、良い銘柄を見極め、長期的に保有することで手堅く利益を得られるといわれます。「投資の神様」といわれるウォーレン・バフェット氏も基本的にはそのスタンスをとっています。

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