19世紀末に早くも「世界一」となったアメリカ
経済面では、大陸横断鉄道も開通して、国内市場が成熟していきますね。アメリカの工業力は飛躍的に成長し、19世紀末にはイギリスを抜いて世界一となりました。企業同士が合併したり、ライバルを買収したりして、ロックフェラーやカーネギーに代表される巨大企業(独占資本)が登場。
しかし少数の企業が業界を牛耳ったことで、企業が水面下で協定を結んで価格を操作する※など、消費者に不利益が生じました。まさに資本主義の「光と影」です。
※ カルテル
1890年頃にフロンティア(開拓地と未開拓地の境界線)が消滅し、国内開拓が飽和状態になると、アメリカはついに海外進出へ。マッキンリー政権は、キューバでスペインからの独立運動が高まると、これを支援する名目でスペインと戦い、フィリピン※などを獲得。
※ 米西戦争に際して、アメリカは独立を約束していた
またハワイを併合して中国への中継地を整えるのですが、中国分割には間に合わず、門戸開放宣言で分割に抗議。続くセオドア=ローズヴェルトは高圧的な「棍棒外交」を掲げました。コロンビアからパナマを独立させてパナマ運河建設に着手したのは、その象徴ですね。
平尾 雅規
河合塾
世界史科講師
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