(写真はイメージです/PIXTA)

8月31日、米商務省の経済分析局(BEA)が公表したところによると、アメリカの7月の個人所得は前月比+0.2%、個人消費は同+0.8%となりました。本稿では、ニッセイ基礎研究所の窪谷浩氏が米国の消費動向について概観します。

3.所得動向:賃金・給与は堅調を維持

7月の個人所得(前月比)は労働需給の逼迫を背景に賃金・給与が+0.4%(前月:+0.6%)と前月から鈍化も堅調な伸びが持続した(図表2)。

 

また、自営業者所得が+0.5%(前月:+0.4%)と前月から伸びが加速したほか、利息配当収入が横這い(前月:▲0.3%)となり、小幅ながらプラスに転じた。一方、移転所得は▲0.6%(前月:▲0.3%)と2ヵ月連続のマイナスとなったほか、マイナス幅が拡大した。
 

個人所得から税負担などを除いた可処分所得(前月比)は、7月の名目が横這い(前月:+0.2%)と前月から伸びが鈍化した(図表3)。一方、価格変動の影響を除いた実質ベース(前月比)は▲0.2%(前月:横這い)と22年6月以来のマイナスとなった。

 

4.消費動向:財、サービスともに前月から伸びが加速

7月の名目個人消費(前月比)は、財消費が+0.7%(前月:+0.6%)、サービス消費が+0.8%(前月:+0.6%)といずれも前月から伸びが加速した(図表4)。


財消費は、耐久財が+0.7%(前月:+0.8%)と前月から小幅に伸びが鈍化した一方、非耐久財が+0.7%(前月:+0.5%)と前月から伸びが加速した。
 

耐久財では、娯楽財・スポーツカーが+1.4%(前月:+0.8%)と前月から伸びが加速したほか、家具・家電が+0.9%(前月:+0.9%)と前月並みの堅調な伸びを維持した。一方、自動車・自動車部品が▲横這い(前月:+0.7%)と小幅ながら前月からマイナスに転じた。
 

非耐久財では、ガソリン・エネルギーが▲1.4%(前月:+2.8%)と前月からマイナスに転じた一方、食料・飲料が+0.8%(前月:+0.1%)、衣料・靴が+1.5%(前月:+0.3%)と前月から伸びが加速して非耐久財消費を押し上げた。

 

サービス消費は、娯楽サービスが+0.3%(前月:+2.0%)と前月から伸びが大幅に鈍化した一方、輸送サービスが+1.5%(前月:▲0.8%)と前月からプラスに転じた。

 

さらに、住宅・公共料金が+0.9%(前月:+0.7%)、医療サービスが+0.4%(前月:+0.2%)、外食・宿泊が+1.2%(前月:+0.6%)、金融サービスが+2.7%(前月:+1.9%)と前月から伸びが加速してサービス消費を押し上げた。

 

5.価格指数:エネルギー価格が前年同月比で5ヵ月連続のマイナス

価格指数(前月比)の内訳をみると、エネルギー価格指数が+0.1%(前月:+0.6%)と2ヵ月連続でプラスとなったものの、前月からプラス幅が縮小した(図表6)。

 

一方、食料品価格指数は+0.2%(前月:▲0.1%)とこちらは前月からプラスに転じた。
 

前年同月比は、エネルギー価格指数が▲14.6%(前月:▲18.9%)と5ヵ月連続のマイナスとなったものの、前月からマイナス幅が縮小した(図表7)。食料品価格指数は+3.5%(前月:+4.6%)とこちらは73ヵ月連続のプラスとなったものの、前月から伸びは鈍化した。

 

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年9月1日に公開したレポートを転載したものです。

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