300円の食パンを「500円に値上げ」したのに“来店客数”が15%増加!競合に差をつける「11個の切り口」【専門家が解説】

300円の食パンを「500円に値上げ」したのに“来店客数”が15%増加!競合に差をつける「11個の切り口」【専門家が解説】

他社製品と差別化したくても「新しいアイデア」がなかなか思いつかない...。実は、元々あった要素を“少し”変えるだけで大きな利益に繋げられるかも知れません。ローソン在籍時に「Pontaカード」や「コンビニ業界初のセルフレジ」を発案し実現させた市原義文氏の著書『アイデアをお金に変える「マネタイズ」ノート』(三笠書房)より一部抜粋し、差別化するための11個の切り口について解説します。 

組み合わせには「方眼ノート」と「ポストイット」を

組み合わせをする時は、「方眼ノート」と「ポストイット」を使います。取り除いたり、似た内容をグルーピングしたり、作業がしやすくなるからです。また、ポストイットは3種類の色を用意すると、区別しやすくて便利です。

 

[図表]を見てください。まず、ピンク色のポストイット1枚に1つの切り口を書いて、方眼ノートにタテ一列に貼っていきます。次に、ノートの上側に「これまで」「これから」と書いたポストイットを貼ります。さらに、「これまで」「これから」の下には、黄色のポストイットでわかることを書いて貼っていきます。「これまで」には現状(今の商品)を、「これから」には何を変えればちょっとした違いがつくれるかを、それぞれ書いていきます。

 

[図表]「ちょっとした違い」の簡単な作り方すべてのアイデアは「組み合わせ」 「組み合わせ」ノート術

 

「色を変える」=(これまで)無色透明→(これから)ベイスターズロゴ入り。

 

「ターゲットを変える」=( これまで)食パン好き向け→(これから)ベイスター 
ズファン向け。

 

「売る時間を変える」=(これまで)通年販売→(これから)1年のみ期間限定。

 

「機能を変える」=(これまで)なし→(これから)乳酸菌入りで身体にいい。

 

「価格を変える」=(これまで)300円→(これから)500円。

 

じつは、このアイデアの組み合わせは、高級食パンチェーン店で検討し、実際に発売した商品のものです。ベイスターズとは、ご存じのとおり、プロ野球球団の横浜DeNAベイスターズのことです。横浜DeNAベイスターズとコラボする狙いの1つは、「来店客数」の増加です。

 

高級食パンを含め、パン屋という商売は、半径500メートルから1キロ程度が商圏です。実際に、お店や商品によほどの特長がない限り、この商圏よりも遠くに住んでいるお客様の来店はあまり期待できないのです。また同じ商圏内で競合店舗が自宅の近くにあれば、そこで買い物を済ませてしまうでしょう。

 

だからこそ、今回のコラボではお客様の来店動機をつくり、横浜DeNAベイスターズのファン、かつまだ来店したことのないお客様や、最近来店していなかったファンの方にも訴求しようと考えたのです。

 

狙いは見事に的中しました。シーズン中は10~15%の来店客数増加を達成できたのです。ただこのシーズンのベイスターズの戦績は低調で、最終成績は4位でした。もし優勝争いに絡んでいればもっと来店客数は増加したでしょう。それでも上出来でした。

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アイデアをお金に変える「マネタイズ」ノート:新商品、新事業をつくる人は、最初にどこを見ているのか?

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市原 義文

三笠書房

会員数1億人超の国内最大ポイントカード「Pontaカード」。 コンビニ業界初の「セルフレジ」、「デジタルサイネージ広告」。 飲食業界初の「手洗い管理システム」。 上野動物園初の「パンダのフォークリフト」。 横浜DeNAベ…

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