(※写真はイメージです/PIXTA)

商品のブランド戦略において、上層部だけが内容を理解し、現場社員に浸透しておらず失敗するケースは少なくありません。こうした失敗に陥ってしまうのには、根本的な原因があると、株式会社 YRK andのブランディングクリエイティブディレクター・二宮康朗氏はいいます。いったいどんな原因でしょうか? みていきます。

強いブランド創りに失敗する原因

「ブランドの理想は掲げているが、社内・社外で浸透させることが難しく、結果、強いブランドを創ることに失敗してしまう……」

 

これは、とあるクライアントのご担当者との会話で出てきた言葉です。このようなお悩みは、ほかのクライアントからもよく出てきます。

 

「上層部が決めたブランド戦略に対してきちんとした説明がなく、現場としては腹落ちせずに進むこともよくあって……」

 

「流通商談の際でも、ブランド本来の価値を伝えられず、個人ごとに進めやすいように商談してしまったり、ラインナップを見せるだけになってしまうため、市場にブランド価値が浸透しないんです」

 

「そもそも、ブランド担当者自身がブランドの方向性にしっくりきていないんです」

 

これらの原因のほとんどは、「ブランドの目指す姿」が「複雑」もしくは「あいまい」なために、ブランドを発信・育成するはずの関係者のあいだに、共感が得られていないことです。要は、外に対する発信はしているが、肝心のインナーブランディングができていないということ。

 

逆に、関係者全員が「このブランドが好きだ!」「このブランドの存在価値は〇〇だ!」という想いを持つことができれば、外への発信に一貫性ができ、結果、強いブランドが生まれます。今回は、「強いブランドを構築するためのプロセス」について紐解いてまいります。

強いブランド創りの過程に存在する「感動」

さまざまな企業様のブランディングをお手伝いするなかで、「強いブランド」ができあがる際には、ブランド創りの過程において必ず「感動」があります。

 

どのプロジェクトにおいても、ブランド価値について徹底的に議論しますが、初期の議論の段階では、ブランドの構成要素は見えてきても、「なにを目指すブランドなのか」はまだ見えてきません。そこに、「ブランドステートメント」「ストーリー」「ロゴマーク」「ビジュアル」といった、誰もが瞬時に理解できる「人格」が吹き込まれることで、ブランドの姿が初めてリアルに浮かび上がるのです。

 

このとき、関係者全員に「我々のブランドの方向性はこれだ!」「これがやりたかったんだ!」という「感動」が生まれ、強い共感を創ることができます。これは、ブランド構築プロジェクトに私のようなクリエイターが介在する大きな理由だと考えています。

 

単にお客様に感動を届けるということだけではなく「社員自らが感動したことをお客様にも共有する」ことが、ファンの拡大につながるのです。このように「感動」を作ることは、強いブランドを創るうえで、とても重要な要素となります。

 

プロジェクトメンバーの選定

強いブランドを創るにあたってまず重要となることは、プロジェクトメンバーの選定です。マーケティング、宣伝、商品企画、営業、開発 等、その商品・サービスに携わるすべての部署のメンバーが始めからブランド創りに携わることで、各部署がブランドのあるべき姿を正しく理解したうえで、発信、さらには成長させることが可能になります。

 

出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかるRe/BRANDING magazineコラム
[図表1]商品・サービスに携わる部署の組織図 出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかるRe/BRANDING magazineコラム

 

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