EconomyNextより

スリランカの政治・経済・金融に関する情報を中心に取り扱う、スリランカ発ローカルメディア『EconomyNext』より、現地からの最新情報を翻訳・編集してお伝えする。

サブリー外相「中国への扱いは同等である」

スリランカのアリ・サブリー外相は、「スリランカは中国と二国間の債務再編プロセスについて個別に協議するが、他の融資先と中国への扱いは同等である」と述べた。

 

「スリランカはすでにパリクラブ加盟国およびパリクラブ非加盟国を通じて、融資先との交渉を開始している。しかし中国は、パリクラブ加盟国以外の国々と債務再編のプロセスを協議することには同意していない」(サブリー外相)

 

「中国はこのような共通のプラットフォームに入ることを好まない。しかし彼らは、二国間債権者として我々と交渉している」と、サブリー外相は3日月曜日にコロンボ(スリランカの最大都市)で行われたメディアブリーフィングで語った。

 

「幸いなことに、彼らは共通のプラットフォームにおける交渉のパラメータを知っている。そのため、車輪を再発明する必要はない(=二国間の債務再編において、中国では既に確立された交渉手法が存在しており、それを再び作り直す必要はない)。私たちは彼らにも同等の取り扱いをするという考え方だが、それは二国間の基準に基づいて行われる」(サブリー外相)。

 

中国は、未曾有の経済危機を経験した後、昨年4月に対外債務の不履行に陥ったスリランカにとって、最大の二国間融資国のひとつである。

 

「彼らは自分たち自身で共通のプラットフォームに快く参加することに抵抗がある。最終的に彼らが合意し、私たちが望むのと同じ救済を提供してくれるのであれば、私たちはそれでいいのだ」(サブリー外相)。

 

スリランカの他の二国間債権者は、国際通貨基金(IMF)によって中国輸出入銀行からの30億米ドル(約4,331億1,900万円)の融資承認が行われる前に、スリランカに対して2年間の債務猶予を提案した。しかし、この提案を行う以前に、彼らは中国の債務再編におけるプロセスが遅いことに懸念を示していた。

これまでも最大の貸し手であった中国

中国は、スリランカの戦後のインフラ開発において最大の貸し手であった。2010年から2016年にかけて、対外債務総額の37%を占めている。

 

スリランカはこの期間、インフラ開発のために中国から59億米ドル(約8,518億70万円)を借り入れた。しかし、中国からのこれら融資の半分以上は、通常の調達プロセスを回避し、中国からの自発的な提案によって公的資金によるインフラプロジェクトが実現された。

 

中国は、「中国政府」からの直接融資、輸出入銀行からの融資、中国開発銀行を通じた融資を行っている。

 

スリランカの二国間融資を議論するための共通のプラットフォームは、パリクラブ、インド、日本によって導入された。

 

「中国はプラットフォームの一員ではないが、オブザーバーとして参加している。そのため、二国間融資について何が議論され、どのような救済措置が講じられるのかを知ることができる」とサブリー外相は語った。

 

「我が国の大統領は『すべての二国間債権者に対し、すべての二国間救済は同等である』と述べた。つまり、どこかが他より優遇されることはないということだ。そのため、二国間債権者に関しては、最終的には誰もが同じ待遇を受けることになると理解している」(サブリー外相)

 

「私たちはいま、中国と話し合っている。これまでも何度か話し合いを重ねてきた。我々は、中国が我々を助けてくれると信じている」(サブリー外相)

この記事は、GGOが提携するスリランカのメディア『EconomyNext』が2023年7月4日に掲載した記事「Sri Lanka will discuss debt restructuring separately with China-minister
」を翻訳・編集したものです。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録