(※写真はイメージです/PIXTA)

生きるうえで「食事」は必要不可欠。摂取した栄養素は長い道のりを経て、身体のために機能します。本連載では、ボディビル世界大会で3位に入賞した経験もあり、日本体育大学体育学部の教授を務める岡田隆氏の著書『世界一細かすぎる筋トレ栄養事典』から、「食事×筋トレ」を主軸とした「理想のカラダづくり」について解説します。

フェーズ2 PFCバランスを最適化

P(タンパク質)、F(脂質)、C(炭水化物)という3大栄養素の質や量のバランスを変化させて最適化を図る段階。

 

食事の総量を減らすことなく、PFCバランスを整えることで食事の質を整えていく。結果として摂取エネルギー量が減ることがほとんど。基本的には食事量を減らさずに内容を意識するだけなので、ストレスフリーで継続しやすい。

 

#4 タンパク質を段階的に増やす

筋量を減らさずに体脂肪を落とすためには、筋肉の材料であるタンパク質が必要。

 

タンパク質は一度に摂取できる量に制限がある(余剰分は腸内で腐敗し、排泄される)ため、毎食ごとに適量を摂取するよう心がけよう。

 

1食20gという指標はあるが、まずは3食満遍なく摂ることを意識。特に朝昼の食事は不足しがちなので注意したい。そして肉や魚、乳製品、卵、豆類などさまざまなタンパク質源を食べるようにすると良い。

 

#5 脂質の質を変える

タンパク質や炭水化物と比べ、脂質のカロリーは倍以上。体脂肪として蓄積されやすい性質を持っているため、除脂肪の食事では脂質を抑えるのが基本。

 

しかしその前に脂質の質を変えることでも除脂肪効果を高めることができる。

 

例えばMCTオイルは、体脂肪になりにくく、全身の脂質代謝が上がるという性質を持つ。ドレッシングをMCTオイル+しょうゆや塩こしょうに換えるだけでも除脂肪効果が高まる。

 

健康効果が高く、必須脂肪酸として食べなければならないオメガ3脂肪酸への置き換えも有効。

 

#6 脂質が抑えられる食材や調理法へ

タンパク質を増やす、脂質の質を変えるというアプローチに慣れたら、脂質の量が少ない調理法や食材に変えることを考えよう。調理法を「焼き・ゆで」などに変えたり、肉の選び方を霜降りから赤身肉に切り換えたりするのも有効。

 

急激に変えると、満腹感が減少したり、味に物足りなさを感じたりするため、ストレスがないよう徐々にシフトすることが重要。

フェーズ3 代謝コンロトール

除脂肪を優位に進めるには「食べても太らない=食べた分だけ燃やせる」身体にシフトさせることが重要。

 

トレーニングを軸として考えた場合、①使うために備える、②入れたものを燃やしきる、③ゼロになったところで補給という代謝の基本サイクルに則し、摂取のタイミングやバランスを考える段階に入る。

 

#7 脂質を段階的に減らす

脂質はエネルギー量が大きいため、ここからさらに絞っていくためには、段階的に減らしていくことが必要だ。

 

基本的には、脂質を減らした分はタンパク質に置き換える食事が有効。トレーニングの量が十分であれば、炭水化物に置き換えても良い。

 

仮に摂取エネルギーが変わらなくても(通常は下がる)、食事誘発性熱産生は増えるので、代謝全体で考えるとコントロールとなる。野菜のドレッシングを油少なめ→ノンオイル→塩というように、段階的に脂質を抑える努力を。

次ページ「空腹感」や「停滞期」への有効な対策とは
世界一細かすぎる筋トレ栄養事典

世界一細かすぎる筋トレ栄養事典

岡田 隆

小学館

食事×筋トレで理想のカラダをつくれる本! 世界大会にて3位となるまでの体験、そして研究者としての知見から得た「生きていくうえで必須の行為『食事』を、いかにボディメイクに生かすか」がテーマの一冊。 本書には、あな…

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