(※写真はイメージです/PIXTA)

ブランド牛やお米、フルーツなど、わずかな自己負担で豪華な返礼品が受け取れると人気の「ふるさと納税」。メディアでも「気軽に節税できる」とさかんに報道されていますが、注意すべきポイントを押さえておかないと損してしまう可能性があると、税理士法人グランサーズの共同代表で税理士・公認会計士の黒瀧泰介氏はいいます。本記事で詳しくみていきましょう。

ふるさと納税で注意すべき「2つ」のポイント

1.控除限度額を超えると自己負担

黒「しかし、冒頭で触れたとおり、ふるさと納税において注意すべきポイントがあります。1つ目は、『控除限度額を超えると自己負担になる』という点です。限度額を超えた分は、寄附をしても翌年の住民税や所得税から控除されません」

 

――お得じゃなくなってしまうんですね。

 

黒「はい。ですから、自分が寄附できる控除限度額を把握しておくことが重要です。限度額は年収のほか、扶養家族医療費控除などによっても変わってきます」

 

――でも、寄附するときって所得の確定前ですよね。最適な金額を把握するのも難しいのですが、どうすればいいでしょうか。

 

黒「控除上限額の確認には、ふるさと納税ポータルサイトのシミュレーター※1が便利です。ざっくりした金額の計算から、扶養家族の有無やさまざまな控除を含めた細かい条件設定まで可能ですので、上限額が気になる方はぜひご利用ください。

 

または、総務省のHP内に限度額の一覧表がありますので、一目で探したい方はこちらが便利です

※1 参考:セゾンのふるさと納税「寄付額シミュレーター」

※2 総務省ふるさと納税ポータルサイト「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」

 

その一覧表をさらにまとめたものが、[図表2]です。

 

出所:総務省「ふるさと納税のしくみ」をもとに筆者作成
[図表2]年収・家族構成別にみた控除上限額 出所:総務省「ふるさと納税のしくみ」をもとに筆者作成

 

たとえば、夫婦共働きで高校生のお子さんが1名いる場合の限度額は、ふるさと納税を行う本人の給与収入別にみると

 

●500万円の方……4万9,000円まで
●1,000万円の方……16万9,000円まで
●2,000万円の方……54万8,000円まで

 

となります」

 

――なるほど。年収が高い人ほど、寄附できる金額が多くなるんですね。

 

黒「はい。ただしこれはあくまで概算であるため、ここに医療費控除や住宅ローン控除などが入ってくると思ったほど寄附控除が受けられないケースもあります」

 

――そうなんですね。上限額ギリギリというより、少し余裕をもって寄附したほうがいいかもしれませんね。

 

2.控除を受けるために申請が必要

黒「注意点の2つ目は、『申請が必要』であることです。ふるさと納税をしたあとは、必ずワンストップ特例制度の申請か、確定申告をする必要があります。忘れてしまうと、税金の控除・還付が受けられないので注意してください」

 

――ワンストップ特例とは、どんなものなのでしょうか。

 

黒「ワンストップ特例とは、確定申告をする必要のない給与所得者等が利用できる制度のことをいいます。寄附した自治体から送られてくる申請書に必要事項を記入して期限までに返送するだけなので、簡単に手続きが可能です。

 

確定申告なしで寄附金の控除を受けられるものの、us1年間の寄附先が5自治体以内ussであることが条件となっています」

 

――なるほど。結構手軽に申請できるんですね。

 

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※本記事は、YouTube『社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】』より動画を一部抜粋・再編集したものです。

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