(※画像はイメージです/PIXTA)

新電力会社「グランデータ」と契約している世帯に高額の電気代の請求が行われたことが話題になっています。その背景には、新電力会社における「自由料金」のしくみがあります。本記事では、自由料金と「規制料金」との違い、それぞれの問題点等について解説します。

「規制料金」と「自由料金」の違い

わが国においては、電気料金には「規制料金」と「自由料金」の2種類があります。

 

大手電力会社の電気料金は基本的に「規制料金」です。これに対し、電力自由化により参入した事業者の電気料金は「自由料金」となっています。

 

両者の違いを大ざっぱにいうと、値上げに国の「認可」が必要か否かということです。

 

「自由料金」は、国の認可を受けず、自由に決めることができます。

 

これに対し、「規制料金」には値上げできる上限があり、それを引き上げるには国の認可が必要です。

 

規制料金の「燃料費調整制度」

規制料金においては、その範囲内で燃料の価格や為替レートの変動を迅速に電気料金に反映させる「燃料費調整制度」があります。

 

「燃料費調整額」の計算式は以下の通りです。

 

燃料費調整額=燃料費調整単価×1ヵ月あたりの使用電力量

 

この計算式に登場する「燃料費調整単価」は、「連続する3ヵ月間」の平均燃料価格です。これを、その最後の月から起算してさらに3ヵ月目の価格に自動的に反映させるのです。

たとえば、2023年4月の燃料費調整額の計算に用いられている「燃料費調整単価」は、2022年11月~2023年1月の平均燃料価格ということです(【図表】参照)。

 

【図表】燃料費調整のイメージ

 

 

この燃料費調整には、契約者の電気料金の負担が急に重くなるのを防ぐ効果があります。

 

また、これに加え、「『基準燃料価格』+50%」という金額の上限も設定されています。

 

ここでいう「基準燃料価格」は料金設定時の平均燃料価格(基準となる3ヵ月間の平均)です。

 

この制度だと「基準燃料価格」と現在の燃料価格との間には約3ヵ月のタイムラグがあります。したがって、もし、その間に燃料価格が急騰して「規制料金」の上限を超過した場合は、電気料金に転嫁できず、電力会社が負担しなければなりません。

 

昨今、大手電力会社各社が規制料金値上げ申請を行っている理由はここにあります。

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