世界での活躍が見込める「スタートアップ企業」への投資が、海外を中心に注目を集めています。そうした投資を支える仕組みである「株式投資型クラウドファンディング」について、その特徴や独特なメリットを、実例も交えながらご紹介します。※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
世界にはばたく未来のユニコーン企業を応援!英国・米国が牽引する海外「株式型クラウドファンディング」 (※写真はイメージです/PIXTA)

日本の先を行く海外の株式型クラウドファンディング

個人が約10万円から非上場のスタートアップ企業に投資できる仕組み「株式投資型クラウドファンディング」(以下、株式型CF)。このコラムでは、日本の先を行く海外の株式型CF事情について紹介します。

 

特に市場が活況な英国・米国では、株式型CFによる資金調達を行ったスタートアップ企業が後に上場や買収に至り、個人投資家が大きなリターンを得る事例が続いています。

 

また、投資したスタートアップ企業の成長過程を一緒に楽しみ、盛り上げるといった経験が得られることから、起業家と株主で作る「コミュニティ」の価値が、海外の株式型CFでは広く認識されています。

 

株式型CFは、国ごとに少しずつ仕組みが異なります。とはいえ、金銭的リターンと、いわゆる精神的リターン(応援投資)といった、ほかの投資とは異なる2軸の面白さは、海外同様、国内市場でもさらに注目されていくはずです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

2020年の世界市場規模は1,976億円!英国・米国が勢いを牽引

2020年の株式型CFにおける世界各国の市場規模(中国除く)は、合計1,130億円にのぼりました(出所:『The Cambridge Center for Alternative Finance (CCAF)、'The 2nd Global Alternative Finance Market Benchmarking Report』)。

 

なかでも英国・米国ではすでに、株式型CFが、ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家と並んでメジャーな資金調達手段となっています。2020年の英国の株式型CFによる年間調達額は800億円規模、2021年の米国の調達額は600億円規模で、多くの個人投資家が非上場企業の投資に参加していることがわかります。

 

日本の2022年の調達額は約25億円で、制度開始以来の累計調達額は2022年に100億円を突破したところです。その規模は海外に比べて小さいですが、調達額は増加傾向にあります。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

プラットフォームごとに見る株式型クラウドファンディング

では、英国・米国ではどのようなプラットフォームがあるのでしょうか。それぞれの主要なプラットフォームを紹介します。

 

英国

Crowdcube

英国の株式型CFプラットフォーム最大手とされています。2021年の取引額は約29.7億円にのぼります。取り扱いジャンルも幅広く、利用するスタートアップ企業が資金調達後にユニコーン企業※1に成長したり、IPO(株式を公開し投資家に向けて株式を売り出すこと)や、M&A(企業・事業の合併や買収)を続々と成功させています。米国のプラットフォームSeedInvestと業務提携をしています。

※1 ユニコーン企業とは次の4条件「創業10年以内」「評価額10億ドル以上」「未上場」「テクノロジー企業」を満たす企業。

 

Seedrs

2021年の取引額は約19.2億円にのぼります。米国のRepublicに買収されましたが、Seedrsとして運営を続行しています。