「明らかに自然現象ではない」去年にも爆発事故。ロシア−ドイツを経由する「ガスのパイプライン」で回収された“謎の物体”の正体

「明らかに自然現象ではない」去年にも爆発事故。ロシア−ドイツを経由する「ガスのパイプライン」で回収された“謎の物体”の正体
2022年9月27日にデンマーク国防省が公開したファイル写真。ノルドストリームのガスパイプラインが損傷し、ガスが漏洩した現場を撮影したもの。(写真: デンマーク国防省/Handout via Xinhua)

フィンランドのリアルなニュースを日々配信している、現地発の英語メディア『Daily Finland』より翻訳・編集してお伝えする。

デンマーク軍が引き揚げ

新華社通信の報道によると、デンマークエネルギー庁(DEA)は、天然ガスのパイプラインである「ノルドストリーム2」(欧州、バルト海の下をロシアからドイツまで通る海底天然ガス・パイプラインのシステム)で回収された物体は、灯浮標(航路標識の一種。様々な目的で水面に浮かべる構造物)である可能性が高いと29日水曜日に発表した。

 

「デンマーク軍は、『引き揚げは水深73メートルで行われた...引き揚げにはノルドストリーム2の運営会社代表も参加した』と述べている」と同庁は発表した。

 

同庁は、目視確認に使用される灯浮標について、「安全上のリスクはない」とした。

 

デンマーク国防省から入手した該当画像には、高さ約40センチ、直径約10センチの円筒形の物体が写っている。

去年にも…意図的行為か

ロシアからドイツを経由して欧州市場に天然ガスを輸送していたノルドストリームのパイプラインは、昨年9月にも、バルト海での爆発事故により大きな被害を受けている。同事態はそれまでに前例のないことであり、明らかに自然現象によって起きたものではないと推測された。

 

爆発事故当時、1本のパイプラインである「ノルドストリーム1」は稼働していた。ノルドストリーム2は当時稼働していなかったものの、その中身はガスでいっぱいになっていた。

 

今回の流出を受けて、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、「我が国当局は意図的な行為であるとみている」と述べた。

 

ノルドストリーム1は2011年よりロシアからドイツへのガス供給を開始した。その後、21年9月にノルドストリーム2が建設された。ノルドストリーム2は、ウクライナや東欧諸国の領土を迂回してヨーロッパに燃料を供給するために建設されたという背景がある。

この記事は、GGOが提携するフィンランドのメディア『Daily Finland』が2023年3月29日に掲載した記事「Denmark says object found at Nord Stream 2 probably empty smoke buoy」を翻訳・編集したものです。

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