(※写真はイメージです/PIXTA)

大山昌之氏の著書『財政再建したいなら移民を3000万人受け入れなさい』より一部を抜粋・再編集し、日本の財政について考えていきます。

「緊縮財政は正しくない」とハッキリいい切れるワケ

2021年11月号の『文芸春秋』にて、現役の財務事務次官による、当時、加熱していた衆議院総選挙における各党のいわゆる「ばらまき政策」を批判する投稿が寄せられ、世間ではこの問題が大きな話題になりました。

 

政府の公庫には無尽蔵にお金があるわけではないのでこのようなばらまき政策は、その後の深刻な財政悪化を引き起こしかねないという懸念から、彼はこのような投稿をしたそうですが、これを発表したと同時にたくさんの有名な知識人や経済学者から、彼の投稿に対して数多くの反発が巻き起こりました。

 

私もこの財務事務次官と同じく、このまま行けば日本にもデフォルトの可能性は十分あると思っていますが、財務事務次官の意見に全く賛成なのかというとけっしてそうではありません。

 

日本の国債がデフォルトしないため、今からその予防をしておく事は確かに大事な事なのですが、そのアプローチの仕方が、儲ける力のない彼ら財務省のいう緊縮財政が正解なのかというと、そうではないとハッキリといい切れるからです。

 

まず、現在の日本のような大不況の状況では、新たな借金をしない事よりもGDPをいかに維持するべきかのほうが、財政にとっては遥かに大事な事です。なぜなら、日本の借金の多さはGDPの大きさによって決まるからです。

 

日本の借金は2020年12月の段階で約1212兆円になり、これはその年の日本のGDP約525兆9000億円の2.3倍に当たります。

 

これが、政府による緊縮財政によって、たとえ借金の総額が増えなかったとしても、GDPが仮にコロナ禍によって450兆円まで落ち込んでしまえば、GDP比率が2.7倍近くにもなり、実質日本の借金は増えてしまった事になるのです。

 

財務省の間違いは、財政再建をするためには「プライマリーバランス(国債発行ゼロ)だけを気にすれば良い」という発想しか、彼らの頭にはない事です。

 

これは、私も失敗した経験から学んだ事ですが、今の日本のGDPを維持するために、仮に50兆円の景気対策が必要だったとして、その目先のお金をケチってしまったがためにGDPが大幅に落ち込んでしまい、それを元に戻すために、当初予定していたよりも更に多くの予算がかかってしまった……、彼の主張は、そんな事にもつながりかねないのです。

 

例えば、もし皆さんが今現在、飲食店を経営していたとして、新型コロナウイルスによる不況のせいで経営が苦しくなり、それでも我慢して店を続けるべきか、店を一旦閉めてこれ以上の持ち出しを抑えるべきかに悩んでいたとします。

 

こんな時に政府の援助がなく、しぶしぶ店をたたまざるを得なくなってしまった場合、まず間違いなくいえる事は、コロナ禍が収まった後、再び新規で店を出し直す事は到底できないだろうという事です。

 

つまり、それだけ一から商売を始めるという事は、お金と労力がかかってしまうものなのです。しかし、一軒のお店がなくなるという事は日本のGDPの一部であるそのお店の売上が無くなり、そこで働いている人の雇用もなくなってしまいます。

 

このため、政府は諦めて閉店するような店を一軒でも減らす努力を、今しておかなければなりません。

 

もしそれを怠り、多くの店舗や企業が無くなる事によって日本経済がどん底まで落ち込むような事にでもなれば、それこそ日本経済を元の状態に戻すためには、更に莫大な予算が追加でかかってしまうのです。

次ページ財務省がやり続けてきた「絶対にやってはいけない事」

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『財政再建したいなら移民を3000万人受け入れなさい』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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