黒田総裁“最後の”日銀決定会合の影響は
最後に、黒田総裁が出席する最後の日銀の金融政策決定会合が10日に予定されているので、その影響について確認したいと思います。
この会合で、10年債利回りの上限を現行の0.5%から再拡大、または上限自体を撤廃するとの見方もありましたが、仮にそうなった場合は、2022年12月の会合で上限の拡大を決めた時と同様に、円金利の急騰により円相場も急騰するリスクがあるでしょう。
ただし、これまで述べてきたように、米国でもインフレ是正の鈍化が懸念され、金利上昇が再燃するなかで、日本も金利の上限を緩和した場合は、米金利上昇に連れて日本の金利上昇に歯止めがかからなくなる懸念があるでしょうから、金利の上限緩和などは見送られる可能性が高いのではないと考えます。そうであれば、米ドル/円は円金利の影響は限られ、米金利上昇の影響で基本的に決まる可能性が高いでしょう。
以上を踏まえると、3月の米ドル/円は132~140円のレンジ中心の展開を想定したいと思います。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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