(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

政策金利は10年ぶりの高水準

■豪州準備銀行(RBA)は2月7日の理事会で、政策金利である翌日物金利の誘導目標を0.25%引き上げて3.35%としました。昨年5月から始まった利上げは9会合連続となり、政策金利は2012年9月以来10年ぶりの高水準となりました。

 

(注)消費者物価指数は2018年1-3月期~2022年10-12月期。 変動の大きい項目を除外したトリム平均値。 政策金利は2018年1月1日~2023年2月7日。 (出所)Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
消費者物価指数と政策金利 (注)消費者物価指数は2018年1-3月期~2022年10-12月期。
   変動の大きい項目を除外したトリム平均値。
   政策金利は2018年1月1日~2023年2月7日。
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

■1月下旬に発表された2022年10-12月期の消費者物価(基調的な物価の動きを示すトリム値)が前年同期比+6.9%と高い伸びだったため、市場ではRBAが緩やかな利上げペースを維持するとの見方が多く、今回の0.25%の利上げは市場予想通りでした。

声明文で、「既定の道筋はない」の文言削除

■ただし、RBAは声明文のガイダンスで、今後さらに政策金利を引き上げることを想定しているなか、昨年12月会合まで入れていた「既定の道筋はない」という文言を削除しました。これは、RBAが利上げを継続する意思を示したものだと考えられます。

 

■弊社は、RBAが3月と4月の会合でそれぞれ0.25%の追加利上げを行い、政策金利を3.85%まで引き上げた後、利上げを停止すると予想しています。

 

(注)データは2020年1月1日~2023年2月7日。 豪日金利差は2年国債利回りの差。 (出所)Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
豪ドル円レートと豪日金利差 (注)データは2020年1月1日~2023年2月7日。豪日金利差は2年国債利回りの差。
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

今後の展開:豪ドルは堅調に推移

■RBAの声明文がタカ派的であったことを受けて、金利先高観から豪州2年国債利回りは前日比+0.15%と大きく上昇し、豪ドルは対ドル、対円で反発しました(2月7日日本時間17時時点)。

 

■インフレ率が高い伸びとなるなか、RBAが利上げを続けるとの観測から豪ドルは当面堅調に推移しそうです。また、経済的な結びつきが強い中国がゼロコロナ政策を終了し、経済再開にかじを切ったことで、豪州の鉄鉱石や石炭の輸出増加が期待されることも豪ドルを支えそうです。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『豪州準備銀行は9会合連続で政策金利を引き上げ…今後の展開は?【マーケットのプロが解説】』を参照)。

 

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

 

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