※画像はイメージです/PIXTA

2022年10月、円相場は1ドル=150円を突破し、32年ぶりの円安水準を更新。きたる物価高・円安・大増税時代には、円資産を持っているだけだと資産は熔けていくばかり……。いかにして資産を防衛し、運用していけばいいのか? 本連載は、世界最大の資産運用会社「ブラックロック」日本法人の最高投資責任者(CIO)の河野眞一氏と、3000人以上の富裕層をコンサルティングしてきた外資系プライベートバンカー長谷川建一氏の著書『世界の富裕層が実践する投資の鉄則 誰も教えてくれなかった本当の国際分散投資 』(扶桑社)を一部抜粋・編集したものです。

専門家が富裕層に提案するポートフォリオの特徴

私は2021年5月にWellsJAPANHoldingsLimitedを設立し、グループ会社のWellsGlobalAssetManagement社は、香港証券先物委員会(SFC)から証券業務(Type1)と運用業務(Type9)のライセンスを認可されて、証券会社として営業をしています。

 

また、WellsInsuranceHongKongCo.Limited社は、香港保険管理局に保険代理店として登録されています。分散投資や管理のニーズにお応えするため、またアジアの発展を見据えての投資機会を活用いただくため、富裕層の皆さまの資産運用をサポートしています。

 

では、具体的にどういったポートフォリオを提案しているのか。たとえば、主に世界の債券市場に投資し、社債やソブリン債などのクレジットリスクは取るものの投資適格債だけで構成してリスクは限定し、安定的なリターンを獲得するポートフォリオです。

 

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(画像はイメージです/PIXTA)

 

デュレーション(元本の平均回収期間)は7年程度で、債券価格に影響を与えない債券ポートフォリオを選別しています。また、アンダーパー債券を中心に、割安な債券から年利率の高い債券で構成される当ポートフォリオは、投資を通じてインカムゲインとキャピタルゲインの双方からなるトータルリターンを目指しているのも特徴です。

 

このBBB(トリプルB)の投資適格債だけで構成したポートフォリオでは、満期までの利率は年間6.00%となります。シンプルですが、リスクを限定しても、これほどのリターンが出るのです。

 

このポートフォリオはずっと持ち続けてもいいし、逆金融相場から逆業績相場にシフトして債券価格が上昇したら売って解約することもできます。さらに株価が下がって調整を終えると、ディフェンシブなところから成長株というように、次は株式の仕込みに資金を投じるといった戦略も考えられます。

海外で資産を運用するメリット

香港で資産運用業務に携わっていて実感するのは、日本ではできない金融商品にアクセスし、顧客に提案できることです。残念ながら日本国内では、こういった優良な債券市場に投資することはできません。そんな魅力を感じて、多くの富裕層が私のもとに相談に訪れています。

 

読者の皆さんにも、海外で資産を運用する意味を真剣に考えていただきたいと思います。それは世界がグローバルからグローカルに移り変わり、ますます先行きが見えなくなっているからにほかならないからです。

 

少なくとも世界経済はインフレ・円安に突入し、円資産だけを持っていては価値が棄損する時代になりました。今までの投資に対するマインドセットは変えなければいけません。

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

※ 本連載は、河野眞一氏、長谷川建一氏の共著書『世界の富裕層が実践する投資の鉄則 誰も教えてくれなかった本当の国際分散投資』(扶桑社)から一部を抜粋し、再構成したものです

世界の富裕層が実践する投資の鉄則 誰も教えてくれなかった本当の国際分散投資

世界の富裕層が実践する投資の鉄則 誰も教えてくれなかった本当の国際分散投資

河野 眞一、長谷川建一

扶桑社

2022年10月、円相場は1ドル=150円を突破し、32年ぶりの円安水準を更新。 なぜ世界中で物価高が起きているのか? なぜ円安が止まらないのか? きたる物価高・円安・大増税時代には、円資産を持っているだけだと資産は熔…

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