気がついたほうがいい日本の組織の実態…経営者が「人材不足」を感じてしまう根本理由

気がついたほうがいい日本の組織の実態…経営者が「人材不足」を感じてしまう根本理由
(※写真はイメージです/PIXTA)

昨今、日本企業において「人手が足りず人材確保に奔走している」とニュースになっていますが、600社の企業に新卒採用などの組織変革コンサルティングを実施する株式会社Legaseedの近藤悦康代表は疑問を呈します。その理由をみていきましょう。

 

「VUCA時代」の会社経営において最も大切なこと

2016年にダボス会議(世界経済フォーラム)で使われて注目されるようになった「VUCA(ブーカ)」という言葉を聞かれたことがあると思います。VUCAとは、「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」の4つの単語の頭文字をとった造語で、将来の予測が困難な状況を表す言葉です。新型コロナウイルスの世界的流行によって、VUCAを重要視する論調が強まっているのはご存じのことでしょう。

 

予測不能なことが次々起こる世の中で、会社経営において最も大切なことは「誰を会社に入れるか」、この一点に尽きると私は考えています。どんなに能力や先見性のある経営者でも、どのアイディアが上手くいくか、未来に何が起こるかを正確に予測はできないはずです。ですから適時、目の前に迫る課題を解決しながら、乗り越えたことのない山を越えていける人材が組織にいなければ、このVUCA時代に会社を永続発展させることはできないでしょう。

 

最近、読んだ書籍で感銘を受けた、『ビジョナリーカンパニーZERO』に、こんなことが書かれていました。

 

企業が追跡すべきもっとも重要な指標は、売上高や利益、資本収益率やキャッシュフローではない。バスの重要な座席のうち、そこにふさわしい人材で埋まっている割合だ。適切な人材を確保できるかにすべてがかかっている、と。

 

さて、次の質問の答えを想像してみてください。「これまでの10~20年の間で、あなたの会社で最も活躍し貢献した人材は誰でしょう。5人、挙げてみてください」きっと、今のあなたの会社があるのは、この人たちのお陰だと思える人のはずです。

 

では次に、もう一つ、想像してもらいたいのです。「20年後にタイムスリップしたとして、20年先から見たときに、会社で最も活躍し貢献したであろう人材を5人、挙げてみてください」今の幹部かもしれません。新人クラスかもしれません。もしくは、今社内にいる人材ではない可能性すら高いです。

 

いかがでしょうか? おそらく、2つの質問で名前が挙がった人材は異なる人ではなかったでしょうか。これは言い換えるならば、この先のVUCA時代を戦っていくためには、今の経営幹部や、今社内にいる人材だけでは戦えない可能性が高い、ということです。

 

次ページ日本は本当に「人材不足」なのか?

本記事は、近藤 悦康氏の著書『99%の会社が知らない「超・デジタル採用術」オンラインでも応募者の心は「見える化」できる!』(徳間書店、2022年1月29日刊)から一部を抜粋し、再編集したものです。

99%の会社が知らない「超・デジタル採用術」 オンラインでも応募者の心は「見える化」できる!

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近藤 悦康

徳間書店

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