経営者・個人事業主向けの「国公認の節税」!年間84万円まで「全額所得控除」になる魅力的な制度とは

経営者・個人事業主向けの「国公認の節税」!年間84万円まで「全額所得控除」になる魅力的な制度とは
(※画像はイメージです/PIXTA)

2022年も残すところ2ヵ月あまりとなりました。経営者や個人事業主の方は、年末が近づくにつれ、今年の税金のことが気になってくることと思います。そんななか、「所得控除」の制度はできるだけ活用したいものです。本記事では所得控除の制度のなかでも特に経営者・個人事業主の方だけが利用できて有益な制度について解説します。

「iDeCo」とは別枠で年84万円!国が公認の「節税」

所得税・住民税について所得控除を受けられる制度は、それほど多くありません。しかも、全額が控除対象となるものとなると、さらに限られます。

 

そのなかでも、メリットが大きいにもかかわらずいまいち知名度が低いのが「小規模企業共済等掛金控除」です。

 

小規模企業共済は、簡単にいえば、個人事業主・中小企業経営者のための公的な退職金の制度です。「中小企業基盤整備機構(中小機構)」が運営しています。

 

中小機構が発行している公式パンフレットをみると、なんと、堂々と「節税」をうたっているではありませんか。「節税」というと税務署に目を付けられがちなのに、国が公認するとは、珍しいこともあるものです。

 

加入して掛金を支払うと、最高で月7万円、年間84万円まで、全額所得控除を受けられます。

 

このような、老後の積立のための制度で全額所得控除を受けられるのは、他には「国民年金基金」と「個人型確定拠出年金(iDeCo)」しかありません。しかも、これらは合算して月6万8,000円までが上限です。

 

小規模企業共済であれば、これらとは別枠で月7万円まで所得控除を受けられるのです。もし併用すれば、毎年165万6,000円の控除を受けることができます。

 

現金で銀行に預けておいてもほとんど増えないので、この控除を受けられるだけでも、メリットがきわめて大きいといえます。

控除だけでなく、お金が増える

小規模企業共済は退職金を積み立てる制度なので、最終的には「共済金」を受け取ることができます。そして、途中で解約せず「共済金」として受け取る限り、基本的には、掛金総額よりも増えて戻ってきます。

 

共済金の支払事由は以下の通りです。

 

【個人事業主の場合】

・共済金A:廃業した場合、死亡した場合

・共済金B:65歳以上かつ15年以上掛金を払い込んだ場合

・準共済金:法人成りして加入資格がなくなった場合

 

【法人の役員の場合】

・共済金A:法人が解散した場合

・共済金B:病気・ケガにより役員を退任した場合、死亡した場合、65歳以上かつ15年以上掛金を払い込んだ場合

・準共済金:法人の解散・病気・ケガ以外の理由で退任した場合、65歳未満で役員を退任した場合

 

【図表】は、共済金の種類別に、掛金月額1万円で加入した場合のシミュレーションです。

 

中小機構ホームページより
【図表】共済金の種類と加入年数ごとの共済金額(掛金1万円ごと) 中小機構HPより

 

「共済金A」「共済金B」は、加入年数が長くなれば、その分だけ共済金の額が掛金よりも増えていきます。20年間加入すれば「共済金A」なら16.1%、「共済金B」なら10.8%増える計算です。

 

所得控除による節税の効果も含めると、実質的な増加率はもっと大きくなります。

 

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