(※写真はイメージです/PIXTA)

1年以上「無事故・無違反」のドライバーが取得できる「SDカード」をご存じでしょうか。全国1万6,000施設以上で使える割引・優遇の特典がついているお得なカードで、SNSで拡散されるたびに「こんなお得な制度があるなんて知らなかった!」と話題になっています。SDカードとは何か、どうやって取得するのか。また、どんな割引・優待が受けられるのか。一つずつ見ていきましょう。

SDカードとは?

SDカードとは、1年以上「無事故・無違反」のドライバーが取得できる“安全運転者(Safe・Driver)”の証です。

 

ドライバーの法令遵守および安全運転に敬意を表すとともに、今後も安全運転を続けるよう意識を向上させることを目的として、1977年に作られました。発行元は、警察庁が所管する「自動車安全運転センター」です。

 

ひと言で「SDカード」といっても、「無事故・無違反」の継続年数に応じて5種類に分かれます(図表1)。

 

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【SDカードの種類】

「無事故・無違反」が1年以上2年未満(=1年)⇒SDグリーンカード

「無事故・無違反」が2年以上4年未満(=2~3年)⇒SDブロンズカード

「無事故・無違反」が4年以上10年未満(=4~9年)⇒SDシルバーカード

「無事故・無違反」が10年以上20年未満(=10~19年)⇒SDゴールドカード

「無事故・無違反」が20年以上⇒SDスーパーゴールドカード

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出典:自動車安全運転センターウェブサイト(https://www.jsdc.or.jp/sd/tabid/115/Default.aspx)
[図表1]SDカードの種類 出典:自動車安全運転センターウェブサイト(https://www.jsdc.or.jp/sd/tabid/115/Default.aspx)

 

運転免許は5年ごとに更新しなくてはいけませんが、SDカードに有効期限はありません。また、原則、グリーンやゴールドなど、種類(色)による差もありません。優遇店の一部には、割引・優遇を使うにあたり「XXカード以上が対象」という適用条件を掲げているところもありますが、基本的には全種類のカードが優遇対象となっています。

SDカードを取得するには?

SDカードの取得方法は、警察署、交番、駐在所、および各都道府県の自動車安全運転センターにある「証明書申込用紙」に必要事項を記入し、自動車安全運転センターに申し込むだけです。専用アプリを使えば、インターネットから申し込むことも可能です。

 

証明日以前に1年以上「無事故・無違反」と確認されれば、後日、証明書とともにSDカードが送られてきます。

 

なお、証明書1件につき手数料670円(2022年10月現在)がかかります。

 

ただし、指定自動車教習所(公認教習所)を卒業した運転手の場合、卒業から1年後まで無事故・無違反であれば、上記の証明書とSDカードが自動的に送られてくることがほとんどです。基本的に指定自動車教習所では、「無事故・無違反」の証明に必要な手数料670円を、卒業検定の料金などに含めていたり、諸経費などの名目で別途徴収したりなどして、あらかじめ納めさせているからです。

 

もしかしたら、本当はSDカードを所持しているにもかかわらず、特典を知らないがために眠らせてしまっているドライバーも少なくないのかもしれません。

SDカードによる割引・優待はこんなにある

2022年10月現在、SDカード優遇店は全国で1万6,062件。優遇店にはステッカー(図表2)が貼られています。

 

出典:自動車安全運転センターウェブサイト(https://www.jsdc.or.jp/sd/tabid/115/Default.aspx)
[図表2]SDカード優遇店のステッカー 出典:自動車安全運転センターウェブサイト(https://www.jsdc.or.jp/sd/tabid/115/Default.aspx)

 

業種は金融機関やガソリンスタンド、旅行・宿泊、飲食店、不動産賃貸など多岐にわたります。業者や店舗によってサービスの内容や割引率などは変わりますが、主な割引・優遇の例は下記の通りです。

 

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【業種別「割引・優遇サービス」の例】

●金融機関(全1,122件):マイカーローン金利の引き下げ

 

●ガソリンスタンド(全762件):ガソリン・軽油料金の割引

 

●自動車・バイク(全2,904件):廃車引取りの「保証価格」を設定

 

●レンタカー・運転代行(全1,185件):基本貸出料金の割引

 

●引越・運送(全468件):引越基本料金(車輌費+人件費)の割引、段ボールのサービス

 

●旅行・宿泊(全788件):宿泊基本料金の割引、レストラン飲食料金の割引

 

●飲食店(全1,028件): 食事料金の割引

 

●レジャー・観光(全1,493件):カラオケのルーム料金、スキー場のリフト料金、温泉の入浴料金、果樹園やテーマパークの入園料金、ボウリング場やゴルフ場の利用料金などの割引

 

●ショッピング(全4,314件):大手スーツチェーン店、メガネ屋、百貨店、空港内の土産物屋などで、商品定価より割引

 

●冠婚葬祭(全787件):基本費用や式場使用料の割引

 

●不動産賃貸(全163件):賃貸契約時の契約金を割引、不動産売却仲介手数料・不動産購入仲買手数料の割引

 

●住宅・住宅設備(全125件):建物本体価格の割引

 

●資格・学習・スクール(全275件):自動車教習所での入所料金の割引、英会話教室での入会金無料・レッスン料の割引

 

●その他(全660件):写真スタジオでの基本料金、クリニックでの人間ドック料金、クリーニングでのクリーニング代、印刷会社のプリント料金などを割引

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エリア別に優遇店の数を見てみると、北海道は329件。

 

東北は1,788件(最多は山形県・356件、最少は秋田県・217件)。

 

関東は4,180件(最多は茨城県・865件、最少は群馬県・241件)。

 

中部は3,314件(最多は長野県・636件、最少は石川県・150件)。

 

近畿は2,609件(最多は大阪府・759件、最少は奈良県・140件)。

 

中国・四国は1,824件(最多は広島県・460件、最少は香川県・123件)。

 

九州は2,008件(最多は熊本県・369件、最少は鹿児島県・149件)となっています。

 

(※いずれも2022年10月時点の情報です)

 

各都道府県における優遇店の詳細は、SDカードの発行元である「自動車安全運転センター」HPでご覧いただけます。

SDカードの注意点

都道府県によって優遇店の数に違いがあったり、「他割引との併用不可」という制限や「発行後X年以内まで」といった有効期限が設けられていたり、さらには、SDカードの種類によって「グリーンカードは発行から1年以内、シルバーカード以上は発行から5年以内」などの差異が生じることもあります。

 

また、先ほども述べたように、SDカードの発行には手数料670円がかかります。割引・優遇サービスには無期限で使えるものも用意されていますが、せっかく取得するのであれば、自分自身に発行されるSDカードの種類や、自分が利用しうる優遇店の数・所在地、サービス内容などを総合的に見て、手数料670円に見合うかどうかを考えたほうがよいでしょう。

まとめ

SDカードを取得する最低条件は、1年以上「無事故・無違反」であること。決して厳しすぎることはなく、多くのドライバーが取得対象となりえます。

 

エリアによって優遇店の数やジャンルは異なりますが、優遇店は全国各地にあることから、旅行や出張といった移動の機会が多い人ほど、活用するチャンスが増えそうです。

 

SDカード発行元の自動車安全運転センターHPでは、全国の優遇店を都道府県別・業種別に検索できたり、「SDカードお得ガイド」として、期間限定特典のお知らせを掲載していたりします(ちなみに2022年10月現在では、期間限定特典として「アート引越センター」のキャンペーンが掲載されています。2022年10月1日~2022年12月28日の間に引っ越しされる方を対象に、特典として「①引越基本料金〔車輌費+人件費〕の30%OFF」「②ダンボール最大20枚無料」とのこと。詳細は自動車安全運転センターHPへ)。

 

取得せずとも特にデメリットはありませんが、旅行や引っ越し、レジャーなど、ふとしたときに「もしかして優遇があるかも?」と調べてみると、お得な優遇情報が見つかるかもしれません。SDカードの交付対象者の方々ならびにすでに所持している方々は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

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