最大で2000億ドルもの経済効果をもたらすと期待される、スリランカ沖で発見された海洋ガス田。2030年までにエネルギー自給率100%を目指すとされるスリランカ政府にとって、このガス田の開発は喫緊の課題となっています。

開発の遅れは利益の損失につながるだけに・・・

石油資源開発事務局、セイロン電力庁、国立交通委員会などを対象にしてエネルギー省が行った経済的影響の調査によると、ケアンインディアのガスの発見は、2040年までにスリランカへ2000億米ドルの経済的利益を与える可能性があるという。


「この資源の商業化を遅らせるほど、より多くの利益を失うことになる」と政府の石油・ガス探査事務局である石油資源開発事務局のサリーヤ・ウィックラマスリヤ事務局長は述べ、ケアンインディア社が中止した事業を引き継ぐ企業があれば、スリランカは価格交渉に多くの時間を費やすべきではないと指摘する。

2030年までにエネルギー自給率100%を目指す

前政権は石油やガスの探索活動を重要視せず、国家エネルギー政策をまとめて、スリランカ周辺での資源探索の共同研究に取り組むことに対して、理解がなかった。しかし現政府になってから、その課題に向き合うようになってきている。

 

スリランカのエネルギー部門での発展計画では、2030年までに再生可能エネルギーを中心として、エネルギー自給率100%を目指している。マンナール沖でケアンインディアが発見したガスは、その行動計画に組み込まれている。

 

計画では、2050年までに発電量を4,050MWから6,400MWに増やすとしており、2020年までにはそのうちの1,000MWがケアンインディアの発見した天然ガスから生産されると期待されている。一方で、ガスの産出には10億米ドルが必要であり、沖合から西海岸に位置する発電所までのガスパイプラインの開発に2億6000万米ドルが必要だという。

 

エネルギー省は、スリランカの上流・下流での石油産業の発展には、全体で36億米ドルが必要となると算出しており、インドとの送電網の建設にはは3億5,000万米ドルがかかるとされている。また石油資源開発事務局は、ガスをインドに輸出することを提案している。

数億年前の地理的条件からも注目されるスリランカ

BP、シェブロン、エクソンモービル、シェル等のいくつかの石油メジャーは、スリランカ沖の可能性に興味を示し、スリランカの石油資源開発事務局を数年間にわたり訪問し続けている。たとえばフランスの石油大手トタルは、数年前からスリランカとの共同研究プログラムに取り組もうとしている。

 

スリランカが注目されているのは、かつてゴンドワナ超大陸の中心であったという、約200万年前の地理的な位置に起因している。当時、スリランカと同じ断層線にあった国々では、インドが石油・ガスの埋蔵をつい最近も発見し、モザンビークでは約100兆立方フィートという今世紀最大のガスを発見した。石油資源開発事務局では、マンナール沖に9兆立方フィートのガスと50億バレルの石油があると推測している。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2015年5月に掲載した「Low Oil Prices The Last Straw For Cairn India」を、翻訳・編集したものです。

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