(※写真はイメージです/PIXTA)

現在地、目的地の2つのポイントが明確になったら、そのギャップをどんな手段で、どんなペースで進めていくかを明らかにします。このアクションプランも、最短ルートをさぐるというよりは「その人らしくラクに続くやり方」を見つけていくことがコツです。エグゼクティブコーチの大平信孝氏が著書『部下は動かすな。』(すばる舎)で解説します。

上司と部下は絶対的な上下関係はない

■1on1では横の関係+作戦会議

 

上司と部下との1on1は、信頼関係を築き、部下の現状や考えを把握し、課題の解決を図り、モチベーションをアップさせるといった効果が得られます。

 

この人材マネジメント手法は、徐々に日本でも取り入れられるようになってきました。確かに機能すれば、業績アップや、優秀人材の「ビックリ退社」防止といった大きな成果につながります。

 

ですが、マニュアルや台本通りに会話を進める形骸化した1on1では、ほとんど効果が得られないどころか、逆効果になることもあります。

 

特に1on1をするときには、上下関係を一旦リセットして臨むと機能します。

 

上司と部下は絶対的な上下関係はない。

 

これが腹落ちするとマネジメントも部下育成もスムーズになります。

 

人としては、対等というスタンスで1on1は行います。

 

上司のほうが経験豊富で、すべてにおいて優秀である必要は必ずしもない。あくまでも、社内での指揮命令系統としての関係と捉えてみるのです。

 

上司も部下も共通の目標に向かって日々奮闘しているという意味では「対等」と捉えましょう。

 

上司とは、判断・決断して、指示を出して結果に責任を持つ人。

 

部下とは、現場で職務を遂行する人。

 

しょせん、「役割」の違いにすぎません。船でたとえると、船長と船員がいます。指揮命令系統としては、船長の指示命令に船員は従う。けれど、それ以外はフラットということです。

 

どちらが上でも下でもない。人としてはイコールパートナーなのだという意識を持ち合わせるとコミュニケーションがスムーズになります。ひとりの人としてリスペクトをするということ。

 

自分を尊重するように、相手も尊重する。それだけで、実りのある会議になるか、ただの不満をためる時間になるのかが変わってくるのです。

 

大平信孝
株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役

 

 

※本連載は、大平信孝氏の書籍『部下は動かすな。』(すばる舎)から一部を抜粋し、再編集したものです。

部下は動かすな。

部下は動かすな。

大平 信孝

すばる舎

「部下が動いてくれない」「部下が一向に成長しない」「怒っても褒めてもうまくいかない」「チームが全然まとまらない」「リーダーとしての自信がない」… このような悩みを抱えるリーダーのあなたは、なんとかして部下・チ…

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