(※写真はイメージです/PIXTA)

3C分析は、3つの要素を軸にして事業の成功要因を探っていく分析法です。競合分析から他社の成功要因がわかったら、それを自社に適用できないかという検討することができます。著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

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競合他社の重要成功要因を掴む

事業別に自社のマーケティング要素を確認できたら、次は3Cの競合他社について、事業別に下のような表を作成し、その事業の重要成功要因を見直します。

 

項目は基本的に自社事業のマーケティング要素について分析した項目と同じ項目を使用します。ただB2CビジネスとB2Bビジネスでは若干項目名が違ってきます。B2Bでは、販売方法は営業方法となり、販売チャネルはルート等となります。

 

事業別に作成しますが、企業によっては営業所別に作成したりする例もあります。営業所ごとに競合先が異なったりするためです。

 

この一覧表を一人で埋められる人はなかなかいないので、皆で知っている情報を寄せ集めて作成します。そうすると、ジグソーパズルの絵面のように、情報が集まれば集まるほど、競合他社の特徴、ひいては自社の特徴が浮かび上がってきます。

 

情報が集まりにくいところについては、顧客に尋ねてみたり、こういう機会にダメもとで競合先に直接インタビューしたり、問い合わせしたりすることもチャレンジしてみましょう。筆者の経験では、他社は意外に会ってくれたり情報交換してくれたりします。向こうも情報を欲しがっているのかもしれません。

 

重要成功要因については、自社のものだけでなく、他社にとっての重要成功要因も考えてみます。そうすると他社の戦略の方向性や現在取っている戦術の理由等が見えてきたりします。まさに孫子の兵法に云う、「彼を知り己を知れば」になるわけです。戦国時代でも、敵からの使者の話を聞いて、敵情を把握していました。

 

現在競合と認識しているところが、将来提携先やM&A先に変わることもありえます。他社が苦しい時に手を差し伸べることによって将来友好な関係が構築できるかもしれません。

 

皆さんの会社では、毎月営業社員を集めてPDCA会議をやっているかと思いますが、今回のような情報について議論する機会は少ないのではないでしょか? 月々のPDCA会議で営業社員を詰めつめするばかりでなく、こうした情報を交換し合う情報交換会のようなものも定期的に持つと良いでしょう。

 

他社についての情報は、信用情報を使ったりすることもありますが、内部状況についてはなかなか外からは分りにくいので、その会社からの転職者または転職希望者から聞き出すというような手法もあります。

 

 

ポイント
いろいろな情報ソースから競合他社の状況を把握する

 

次ページ戦略設定の順序は3パターンの中から

※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

経営環境が激変する最悪シナリオを乗り切る「事業計画書」の立て方・作り方とは? 「ビジョン・戦略立案フレームワーク」で何を/どの段階で行うかがわかる“これからの”実践教科書。 コロナ禍にあっても、事業計画の立…

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