外国債券の利子への課税――現地国での取扱いはどうなるか?

前回は、国内外で保有する「上場外国株式」への課税について説明しました。今回は、「外国債券」の利子への課税のうち、現地国での取り扱いについて見ていきます。

今後の制度改正にも注意が必要な外国債券への課税

前回に引き続き、海外に保有する資産として一般的な課税の仕組みを具体的に解説していきます。

 

2.外国債券

 

外国債券は、様々な種類がありますが、ここでは特に重要なものに絞って解説します。なお、政権与党の平成25(2013)年度税制改正大綱は、

 

「特定公社債等の利子については20%の源泉分離課税の対象から除外。2016年1月1日以後に支払いを受けるべき利子について20%による申告分離課税の対象とする。また、特定公社債等の譲渡所得については、非課税の対象から除外する。2016年1月1日以後に譲渡した場合には、譲渡所得については20%の税率による申告分離課税の対象とする・・・」

 

とあります。外国債券の課税関係にも影響するため、今後も法律の詳細を注視する必要があります。

国によって異なるが、利子課税は源泉徴収が一般的

(1)現地国の課税

外国債券の利子については、利子の支払い者の所在地国で課税が生じます。その課税方法は国によって異なりますが、一般的には源泉徴収の方法がとられています。アメリカの外国債券の利息を日本の居住者が受け取る場合、日米租税条約ではアメリカ側は10%の源泉徴収となっています。

 

外国債券を現地の証券会社を通じて譲渡した場合は、その証券会社が所在する国で譲渡したものとされます。その国での課税は同国内の税法によりますが、租税条約がある国の場合、多くの国が債券の譲渡については居住地国のみ課税としているため、日本居住者が現地国で債券を譲渡しても、居住地国である日本でのみ課税となり、現地国では非課税となります。

 

外国債券の償還差益については、所得の源泉は債券を発行している国にあると考えられます。その国での課税は同国内の税法によりますが、租税条約がある国の場合、償還差益を利子所得として現地で源泉徴収する国と、その他所得条項に該当し居住地国のみ課税とし現地国では非課税とする国の二通りがあります。

 

次回は、外国債券の日本での課税について見ていきます。

本連載は、2014年9月18日刊行の書籍『海外資産の相続』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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永峰・三島会計事務所  パートナー

公認会計士・税理士。 東京大学文学部西洋史学科卒業。米国ペンシルヴァニア大学ウォートンスクール卒業(MBA)。等松青木監査法人(現監査法人 トーマツ)、バンカーズ・トラスト銀行(現ドイツ銀行)を経て、現在、永峰・三島会計事務所パートナー。

著者紹介

永峰・三島会計事務所 パートナー

税理士。
中央大学大学院商学研究科修了。BDO三優監査法人税務部門を経て、現在、永峰・三島会計事務所パートナー。

著者紹介

海外資産の相続

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永峰潤・三島浩光

幻冬舎メディアコンサルティング

金融商品や不動産など、海外資産の相続は、手続きが面倒なため、家族の誰も欲しがらないお荷物になってしまうことが多い。ただでさえ複雑な日本の相続税に、国や地域によって異なる税制が絡んでくるため、その処理にも煩わされ…

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