(※写真はイメージです/PIXTA)

一般的な会社員や公務員より「高年収」と言われる医師ですが、開業医やフリーランス、市中病院に務める場合に比べて、大学病院の医師は年収が低くなる傾向にあります。多くの医師は関連病院でのアルバイト等によって収入をカバーしますが、専門領域を究めるために大学病院を選んだという小林さん(仮名)は「副収入は必要だが、研究に割く時間も増やしたい」というジレンマを抱えていました。

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専門領域を究めるために医局に残ることを選択

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【小林さん(仮名)のプロフィール】

年齢:46歳

所属:大学病院

専門(標榜科):眼科

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医師のキャリアにおいて、ある程度の年齢になると、医局を離れる人が多いのはよく知られたこと。

 

その一方、医局でのキャリアを選ぶ医師もいます。なぜなら、市中病院やクリニックに比べて、大学病院は設備やスタッフが充実しており、珍しい症例も多く集まり、臨床や研究に打ち込む環境としては断然、優れているからです。

 

小林さん(仮名)もその一人。角膜疾患、角膜移植、白内障などを専門とする眼科医として、大学病院や医局の関連病院で臨床と研究を20年近く続けてきました。

 

「初期研修で複数の内科を回っていたとき、総合的な診療能力を身につけるには内科がいいかなと考えていました。でも、もともと眼科に興味があったし、後悔のないように選択科で眼科の研修を始めたところ、透明な角膜や眼底がとってもきれいで感動! そこから眼科の魅力に取り付かれたんです。」

 

小林さんにとっては、若手医師の教育や指導もとてもやりがいのある仕事。市中病院の勤務医や開業医、フリーランスと比べると収入は少ないですし、会議など医療とは直接関係ない業務もありますが、それより大学病院という環境のほうがはるかに重要なのです。

学会進出する女性医師が少ないのはもったいない

小林さんによると、眼科はほかの診療科に比べ、長時間の手術や主治医として病棟管理が必要なケースがほとんどない分、時間的、体力的な制約が少なく、研究に割く時間が取りやすいことも魅力。

 

「若い頃は研究にさほど興味があったわけではありませんが、専門医を取得するとき、臨床例などをまとめて発表するうち、自分に向いていると自覚するようになったんです。その後、海外留学する機会を得て国際的なネットワークが広がり、今では海外のドクターと共同研究することもあります。また、国際学会で定期的に発表するのも楽しみに。」

 

日本の医学界ではまだまだ女性の教授や准教授は少ないですが、生涯にわたって自分のやりたい研究を続けられるポジションとして、もっとアカデミズムの世界に女性医師が進出しても不思議ではありません。

 

医師はもともと男女の別がない職業であり、今は多くの優秀な女子学生が医学部に進んでいます。

 

「客観的に見て明らかに能力の高い女性医師が大学でのポジションを取れずに、関連病院での勤務や開業などに流れるのはもったいない。特に眼科は女性医師の割合が高い診療科の一つだし、私自身が新しいロールモデルになれれば、とも考えてます。」

次ページしかし、大学病院の給与は決して多くはない

※本連載は、大山一也氏、植田幸氏による共著『幸せになれる女性医師の不動産投資』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

幸せになれる女性医師の不動産投資

幸せになれる女性医師の不動産投資

大山 一也
植田 幸

幻冬舎メディアコンサルティング

忙しい女性医師が、仕事とプライベートを両立して幸せになるには? 「忙し過ぎて精神的に余裕がない」 「仕事量の割に給与が見合わない」 「いつまでこんな働き方ができるのだろう…」 日々忙しく働いている女性医師の…

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