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家族が死亡したときに、残された相続人が続けて死亡するケースがあります。特に、相続手続きの途中で死亡した場合は2つの相続を同時に進めることになり、手続きが複雑になります。見ていきましょう。

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相続税申告の前に相続人が死亡…誰が申告をする?

相続税の申告は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月を経過する日までに行う必要があります。

 

相続人が相続税を申告する前に死亡した場合は、その人の相続人が代わりに申告することになります。この場合の申告期限は、相続人の死亡を知った日から10か月を経過する日まで延長されます。

 

この記事では、祖父に続いて父が死亡した場合と父に続いて母が死亡した場合について、誰が代わりに申告して申告期限はいつになるかの具体例をお伝えします。

祖父に続いて父が死亡した場合

【例1】

2018年6月1日に祖父が死亡し、続いて8月10日に父が死亡しました。祖父の死亡による相続(第1相続)では父と叔父が相続人となり、父の死亡による相続(第2相続)で母と子が相続人となります。

 

【例1】では、第1相続の相続税の申告期限は、祖父の死亡を知った日から10か月が経過する2019年4月1日となります。しかし、第1相続で相続税を申告するべきであった父は、申告書を提出しないまま2018年8月10日に亡くなってしまいました。

 

父が提出するべきであった第1相続の相続税の申告書は、父の相続人である母と子が共同で提出します。申告の期限は、父の死亡を知った日の翌日から10か月を経過する日である2019年6月10日まで延長されます。申告書の提出先は祖父の住所を管轄する税務署です。

 

[図表1]祖父に続いて父が死亡した場合の相続税申告期限

 

なお、第1相続のもう一人の相続人である叔父は、本来の申告期限である2019年4月1日までに相続税を申告しなければなりません。相続人死亡のケースでは、同じ第1相続であっても申告する人によって相続税の申告期限が異なるため注意が必要です。

父に続いて母が死亡した場合

【例2】

2018年6月1日に父が死亡し、続いて8月10日に母が死亡しました。父の死亡による相続(第1相続)では母と子が相続人となり、母の死亡による相続(第2相続)では子が相続人となります。

 

【例2】では、第1相続の相続税の申告期限は、父の死亡を知った日から10か月が経過する2019年4月1日となります。しかし、第1相続で相続税を申告するべきであった母は、申告書を提出しないまま2018年8月10日に亡くなってしまいました。

 

母が提出するべきであった第1相続の相続税の申告書は、母の相続人である子が提出します。申告の期限は、母の死亡を知った日の翌日から10か月を経過する日である2019年6月10日まで延長されます。申告書の提出先は父の住所を管轄する税務署です。

 

[図表2]父に続いて母が死亡した場合の相続税申告期限

 

なお、第1相続で子が父から相続した遺産があれば、その遺産についての相続税の申告期限は延長されず、2019年4月1日までに申告しなければなりません。同じ第1相続であっても、誰が相続したかによって相続税の申告期限が異なるため注意が必要です。

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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