※画像はイメージです/PIXTA

不動産の購入には多額の資金が必要ですが「不動産小口化商品」は少額から不動産を購入できるのが特徴で、相続税対策として注目されています。今回は、不動産小口化商品の相続税における税務メリットと注意点について見ていきます。

「不動産小口化商品」とは?

不動産小口化商品とは、多数の人から出資金(現物出資を含む)を集め、その資金で不動産を購入・運用する投資商品です。

 

通常、単独でアパートやマンション経営を行う場合は数千万円から数億円の資金を用意しなければなりません。

 

しかし不動産小口化商品であれば、100人(100口)が出資する商品なら、1人(1口)が出資する金額は1/100で済みますので、少額から不動産投資が行えます。

 

不動産小口化商品から発生した収益は分配金として受け取れるため、不労所得の性質もあります。

不動産小口化商品を購入して相続税が節税できる理由

不動産小口化商品にはいくつかの種類がありますが、相続税の節税効果があるのは任意組合型の不動産小口化商品です。

 

任意組合型は、投資家が口数に応じて対象物件を購入し、その不動産を任意組合に現物出資します。現物出資した不動産は、事業者が任意組合の代表となって運営・管理し、収益は組合員の投資家に分配する仕組みです。

 

※以降の内容については、任意組合型の不動産小口化商品の説明です。

 

■不動産小口化商品は不動産を持分所有しているのと同じ扱い

不動産小口化商品は、投資家が不動産を購入し任意組合が運営する仕組みであるため、相続税評価額は不動産の持分所有と同じ方法で算出します。

 

不動産の相続税評価額は、土地は路線価方式(または倍率方式)、建物は固定資産税評価額に基づき算出します。

 

不動産投資には、不動産小口化商品以外にもREIT(不動産投資信託)がありますが、上場しているREITの相続税評価は不動産評価ではなく、上場株式と同様の評価方法です。

 

■不動産としての評価額の計算と特例制度が適用される

土地の相続税評価額で算出される金額は、時価額の80%相当です。

 

そのため現金1億円で土地を購入した場合、相続税評価額は8,000万円となり、2,000万円相当の相続税評価額が圧縮される計算です(時価額80%は目安であり、相続税評価額の差額は地域によって異なります)。

 

またアパートやマンションとして貸し付けている場合には、更に土地は20%程度、建物は30%相続税評価額が減額します。

 

小規模宅地等の特例制度を利用すれば土地の相続税評価額がさらに50%減額されるため、二重三重で相続税の節税効果が期待できます。

 

■不動産投資物件として不労所得が得られる

不動産小口化商品は投資商品ですので、出資した不動産からの収益を分配金として受け取れます。

 

不動産小口化商品は、事業者が任意組合の代表として投資不動産の運営・管理を行いますので、物件を維持管理する手間もかかりません。そのため複数の不動産小口化商品同時に所有することも可能となり、投資リスクを分散させつつ不労所得も期待できます。

 

次ページ相続で貧乏にならないための対策

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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