(※写真はイメージです/PIXTA)

母を亡くしてから一層意固地になった高齢の父。相続税が不安な娘たちが資産額を知りたがっても、かたくなに口を割りません。しかし、そんな父が転倒して骨折、いよいよ入院することに…。財産額を聞き出し、生前に相続対策を取ることはできるのでしょうか。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

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    娘たちに資産状況を明かさない、超ワンマンな父

    今回の相談者は、50代の専業主婦、村田さんです。村田さんには80代の父親がいるのですが、父に万一のことがあった際、相続税がかかるかどうか判然とせず不安だけれども、これまで一度も財産について話してくれたことがなく、困っているとのことです。じつは10年前に母親が亡くなっており、その際、母親の資産についても村田さんには一切話すことなく、父親が勝手に手続きを済ませてしまいました。

     

     

    村田さんには2歳年下の、同じく専業主婦をしている妹がいます。村田さんと妹との関係は円満ですが、妹と父親の関係は、村田さんと同じく、円満とはいいがたいようです。

     

    「父はとにかくワンマンなタイプで、母親はいつも、おとなしく従っているだけでした。父は私にも妹にも優しく接してくれたことがなく、誕生日やクリスマスといったイベントもありませんでした。プレゼントやお年玉をもらった経験もないです。いつも自宅にいるときは不機嫌で、口を開けば不満か叱責か…。家族みんな、父のことは苦手ですし、精神的な距離も感じます」

     

    父親も80代になり、自宅を訪れるたび病院の薬の種類が増えているといいます。心配した村田さんが声をかけても「おまえに教える必要はない」の一点張りだと言います。

     

    「母親が亡くなってから長くひとり暮しをしていて、嫁いだ娘2人には頼りたくないのでしょう。ですが、私も妹も近居しているのに、まったく様子を見ないわけにはいきません。それに、やはり父親ですから心配な気持ちもあります…」

     

    筆者が話に耳を傾けていると、村田さんからポロリと本音が漏れました。

     

    「私も妹も、サラリーマン家庭の専業主婦で、自分が自由にできるお金がないのです。もし父が亡くなって相続税が必要になったら…。そして、相続税が払えないほど高額だったら…。一体どうなってしまうのでしょう。それを考えるともう、恐ろしくて」

    父が入院、実家で財産関連の書類を調べると…

    打ち合わせから3週間後、村田さんから連絡がありました。前回の打ち合わせの数日後に、父親が自宅で転倒・骨折してしまい、入院することになったというのです。現在も病院先でリハビリ中だといいます。

     

    村田さんの父親は、80代という年齢とケガの状態から、今後はひとり暮らしが困難になると思われるため、村田さんと妹が交代で病院に通いながら、父親のサボートをすることになりました。いずれは施設への入所も視野に入ってくるでしょう。

     

    「どうしても父親のお金が気になって、入院中に妹とふたりで実家に行ったんです。父親の部屋を探していると、預貯金や不動産関連の書類が出てきて。預金は3000万円ぐらい、株は2000万円ぐらいありました。自宅も父親名義でした。私たち、これからどうしたらいいのでしょうか…?」

     

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    本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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