前回は、演奏者人口のすそ野がどんどん広がっている要因を説明しました。今回は、楽器演奏愛好家たちの住環境をめぐる実情について見ていきます。

東京には少なくとも約10万の賃貸需要が存在する

楽器演奏人口が増えている、さらには今後大きく増加することが予想されているのにもかかわらず、現状では、そのニーズを満たす物件が、すなわち楽器演奏愛好家の人々を満足させる住まいが十分に供給されているとはいいがたい状況にあります。

 

東京都を例に、楽器演奏愛好家たちの住環境をめぐる実情について具体的に確認していきましょう。

 

総務省統計局の「平成25年住宅・土地統計調査」によると、東京都の住宅総数は735万戸であり、共同住宅の割合が70.0%と3分の2以上を占めています。また、東京都の持家比率は46.2%であることから、5割を超える人が賃貸住宅に住んでいることになります(賃貸用住宅の数でいえば約340万戸)。

 

このように、東京で暮らしている人々の大半は、マンション・アパートなどの賃貸物件を居宅として選択しているわけです。

 

一方、現在、何らかの楽器演奏をしている人たちが居住している住居の数は、10万7780戸になります(この数字は、賃貸用住宅340万戸に、前述の「20~59歳で週に1回以上楽器演奏またはコーラス・声楽をしている人の割合」である3.17%をかけることにより求めることができます)。

 

言い換えれば、現在、東京には少なくとも約10万人の楽器演奏愛好家の賃貸需要が存在することになるわけです。

潜在需要も加えれば市場規模は「100倍以上」!?

では、この約10万人の楽器演奏愛好家の人たちは、みな思う存分に演奏を楽しめる住環境を確保できているのでしょうか。イエスかノーで答えるのなら、「ノー」といわざるをえません。

 

マンション内で楽器を演奏するためには、後ほど詳しく説明するように全戸遮音構造となっていることが不可欠です。しかし、当社の調査では、東京都内に存在する全戸遮音構造の楽器可防音賃貸マンションは2000室程度にすぎません。

 

わずか2000室程度では、10万人の楽器演奏愛好家たちを全て受け入れることが、つまりはその需要を満たすことが不可能なのは明らかでしょう。

 

逆にいえば、楽器可防音賃貸マンションに関しては、東京だけでも10万戸以上の供給不足が生じていることになります。

 

以上のような楽器演奏愛好家のニーズが満たされていない現状から、ごく単純にみても、楽器可防音賃貸マンションの市場規模は現在の50倍以上となることが予測されます(しかも、住環境の制約などから現在は楽器の演奏を断念している人たちも数多く存在します。そうした潜在需要も加えるのであれば、市場規模は100倍以上と見込まれます)。

本連載は、2016年3月1日刊行の書籍『"楽器可防音マンション経営"で実現する鉄壁の資産防衛』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

"楽器可防音マンション経営"で 実現する鉄壁の資産防衛

"楽器可防音マンション経営"で 実現する鉄壁の資産防衛

大塚 五郎右エ門

幻冬舎メディアコンサルティング

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