本記事は『妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策』の一部を抜粋したものです。

二人の関係は終わったが…

《トラブル事例1》

食品の卸販売を手がける六道物産の六道雄二社長は、愛人に株式の一部を譲渡した。愛人である美和子の願いに、あまり深く考えもせず譲り渡してしまったのだ。渡したのは発行済株式数の3%強なので経営に支障はないと考えていたが、数年後には後悔することとなった。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

今までのことを悔い改め、関係を清算した六道社長は、彼女に渡した株式のことが心配になっていた。二人の関係は終わったが、会社の株式はうやむやになったまま、美和子が持っていたからだ。

 

美和子は社長との関係を維持したいという気持ちから株式を要求しただけで、事業には全く興味を持っていなかった。そのため、別れてしまえば美和子にとって株式は持っていても仕方のないものになっていった。

 

しかし、別れ際の身勝手な対応に腹が立っていた彼女は、六道社長とは話をするもの嫌に思い、会社に株式の買い取りの話を持ちかけることにした。後継者である子供から「なぜうちの株式を持っている?」と問い詰められたため、六道社長との愛人関係を暴露。家族はもちろん従業員にまで知られてしまい、やり手の創業社長と評価されていた六道社長の評判は地に落ちてしまった。

 

愛人が名義株の所有者だったケース
愛人が名義株の所有者だったケース
妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策

妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策

佐野 明彦

幻冬舎メディアコンサルティング

どんな男性も妻や家族に隠し続けていることの一つや二つはあるものです。妻からの理解が得にくいと思って秘密にしている趣味、誰にも存在を教えていない預金口座や現金、借金、あるいは愛人や隠し子、さらには彼らが住んでいる…

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