新型コロナより怖い、老人抹殺社会の現実が忍び寄ってきている。「老人はもう長生きしない。なぜなら、老人を殺してもおかしくない社会になっているからだ」――。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が明かす、驚愕の事実。超高齢化社会ニッポンが抱える問題点を明らかにする。本連載は小嶋勝利著『もはや老人はいらない!』(ビジネス社)から一部を抜粋、編集したものです。

高齢者の「死ぬ力」に医療は効果があるのか

もちろん事態によっては、救急車が到着するまでの間、救命処置などをしなければならないケースはあると思います。そのようなケースでは、介護職員よりも専門的な医療経験を積んだ看護師のほうが上手にやれるような気がします。そう思うのが普通の感覚でしょう。そしてそれは、おおむねその通りなのです。

 

そもそも私は高齢者の「死ぬ力」に対し、医療処置にどれほど効果があるのか?と思っています。

 

病院をテーマにしたテレビドラマなどでも医師から家族に対し「手術はうまくいきました。後は本人の気力次第です」と言葉をかける場面が多く見受けられます。その通りです。長年、高齢者の死ぬ場面に立ち会ってきた私の経験から申し上げるならば、高齢者の場合、医療のセオリーとは別の何かによって命を支配されているのではないか?と感じます。入院している入居者の面会に行き、医師から様子を聞く機会が多々ありましたが、「普通の人より心臓が強いので生きている」という話をよく聞かされます。つまり、医師にもよくわからないということだと理解しています。

 

私がここで言いたいのは夜間帯の老人ホームの場合、急変時に介護職員は業務手順書に沿ってバイタル(命にかかわる数値)などを確認、その上で入居者の主治医に連絡、多くは主治医の指示で救急車を呼び、病院に搬送するのが普通です。この間、もし看護師がいたとしても、同じことをするだけです。たらればの話をするなら、このような急変時に、たまたま救命救急出身の看護師がいた場合などは、自分の判断で救命処置をどんどん進めていくので看護師がいたお陰で一命をとりとめたということはありえます。

 

しかし老人ホームに救命救急専門の看護師がいるケースは稀なので、これは考えなくてもよいケースなのだと思います。

 

話は少しそれますが、皆さんが急変時の医療時に期待をしたいというのであれば、看護師が24時間常駐しているホームよりも、ホームの主治医がホームの近くに住んでいて、いつでもホームに急行してくれる環境下にあるかどうかを確認したほうがメリットが大きいと思います。ぜひ入居判断の時に、主治医による夜間往診体制について確認をすることをお勧めします。

 

小嶋 勝利
株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

 

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